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海上幕僚長から各部隊の長・各機関の長あて
海洋汚染及び海上災害の防止関係法規の適用について(通達)
標記について、下記のとおり通達する。
なお、海洋汚染及び海上災害の防止関係法規の適用について(通達)(海幕総第3989号。58.9.27)は廃止する。
記
1 目的
この通達は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号。以下「法」という。)第1条から第10条の4まで、第18条、第38条、第39条及ぴ第40条の2、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令(昭和46年政令第201号。以下「政令」という。)、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行規則(昭和46年運輸省令第38号。以下「省令」という。)第2章及び第4章並びに海洋汚染防止設備等及び油濁防止緊急措置手引書に関する技術上の基準を定める省令(昭和58年運輸省令第38号。以下「技術上の基準を定める省令」という。)第8章の規定を実施するため、艦船及び航空機並びに油保管施設等からの油及び廃棄物の排出、油濁防止管理者の要件、油濁防止規程、油濁防止緊急措置手引書、油記録簿、船舶発生廃棄物汚染防止規程、船舶発生廃棄物記録簿、船舶発生廃棄物の排出に関して遵守すべき事項等の掲示及び油排出時の通報等に関する事項並びに海上自衛隊における法適用船舶の種類について必要な事項を定めることを目的とする。
2 用語の意義
(1) 法、政令及び省令に規定する「総トン数」とは、別表「総トン数換算表」に示すものをいう。
(2) 政令第2条及び省令第12条の3の8に規定する「最大搭載人員」とは、艦船国籍証書等に記載された搭載人員をいう。
(3) 「タンカー」とは、海上自衛隊においては補給艦、油船及び廃油船をいう。
(4) 「油保管施設等」とは、艦船から陸揚げし、又は艦船に搭載する油で500キロリットル以上の油を保管する施設及び150トン以上のタンカーを係留することのできる施設をいう。
(5) 「自衛艦隊司令官等」とは、自衛艦隊司令官、各地方総監、教育航空集団司令官、練習艦隊司令官、海洋業務群司令及び第1術科学校長をいう。
(6) 「港湾担当部隊の長」とは、次表左欄に掲げる地区について、それぞれの右欄に掲げるものをいう。
地 区
港湾担当部隊の長
総監部所在地
警備隊司令
防備隊(総監部所在地の防備
隊を除く。)所在地
防備隊司令
基地隊所在地
基地隊司令
航空基地隊所在地
航空基地隊司令
基地分遣隊所在地
基地分遣隊長
そ の 他
江 田 島
第1術科学校長
小 松 島
小松島航空隊司令
(7) 「港湾管理者」とは、港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第1項に規定する港湾管理者をいう。
(8) 「油保管施設等の管理者」とは、当該施設を所掌する供用事務担当官の指定する者をいう。
(9) 「補給艦等の長」とは、補給艦については艦長を、全長36メートル以上の自走の油船及び廃油船については所属する警備隊の司令をいう。
(10) 「艦船等の長」とは、全長50メートル以上の艦船については艦船の長を、全長32メートル以上の自走の油船及び廃油船については所属する警備隊の司令をいう。
(11) その他この通達において使用する用語は、法において使用する用語の例による。
3 責務
(1) 自衛艦隊司令官等は、この通達に基づき、油及び廃棄物の処理並びに排出油防除に関し必要な事項を定め、所要の向きに通知するものとする。
(2) 艦船及び航空機の長並びに油保管施設等の管理者は、法(この法に基づく命令も含む。)及びこの通達の定めるところに従い、艦船及び航空機並びに油保管施設等からの油及び廃棄物の排出による海洋汚染及び海上災害の防止に努める責務を有する。
4 油及び廃棄物の排出
(1) 艦船からの油の排出
ビルジ等排出防止設備又は水バラスト等排出防止設備を装備した艦船は、法第4条第2項及び第3項並びに政令第1条の6及び第1条の7に規定する基準に従って油を排出するとともに、残留物又は廃油は、地方総監部所在地にあっては当該地方総監が、その他の港湾にあっては港湾管理者が定める要領に従い、それぞれ処理しなければならない。
(2) 艦船からのふん尿及び廃棄物の排出
ア 最大搭載人員が100名以上の艦船は、法第10条第2項第1号に規定するふん尿等を政令第3条に規定する基準に従って排出しなければならい。
イ 艦船は、法第10条第2項第2号に規定する廃棄物を政令第4条に規定する基準に従って排出しなければならない。
(3) 航空機からの油又は廃棄物の排出
航空機は、法第18条第3項及び政令第11条の規定に従って油及び廃棄物を排出しなければならない。
5 油濁防止管理者
(1) 油濁防止管理者の要件等
ア 油濁防止管理者を選任すべき艦船
法第6条第1項に規定する油濁防止管理者を選任すべき艦船は、補給艦並びに全長36メートル以上の自走の油船及び廃油船(以下「補給艦等」という。)とする。
イ 油濁防止管理者の要件
油濁防止管理者は、省令第10条に規定する要件を満たすもの又は次の要件のすべてを満たすものでなければならない。
(ア) 機関長又はこれに準ずるもの。
(イ) 機関1級から4級まで又は運航1級から4級までのいずれかの海技資格を有するもの。
(ウ) 艦船に乗り組んで、油の取扱いに関する作業に2年以上従事した経験を有するもの。
(2) 油濁防止管理者講習への参加
補給艦等の長は、油濁防止管理者を、国土交通省地方海運局が実施する油濁防止管理者講習に参加させなければならない。
6 油濁防止規程
(1) 法第7条及び省令第11条に規定する油濁防止規程を備え置くべき艦船は、全長50メートル以上の艦船並びに全長32メートル以上の自走の油船及び廃油船(以下「艦船等」という。)とする。
(2) 法第7条及び省令第11条の2に規定する油濁防止規程は、別紙第1及び別紙第2のとおりとする。
(3) 艦船等の長は、油の不適正な排出を防止するため、油濁防止規程に基づき必要な細部事項を定め、乗員に遵守させなければならない。
7 油濁防止緊急措置手引書
(1) 艦船等は法第7条の2第1項及び技術上の基準を定める省令第35条に規定する油濁防止緊急措置手引書を当該艦船内に備え置くものとする。
(2) 油保管施設等の管理者は、法第40条の2第1項及び省令第34条の2第1項に規定する油濁防止緊急措置手引書を当該施設内に備え置き、又は掲示しておくものとする。ただし、当該施設内に備え置き、又は掲示することが困難である場合にあっては、当該施設の管理者の事務所に備え置き、又は掲示しておくものとする。
(3) 油保管施設等の管理者は、油濁防止緊急措置手引書に定められた事項を、当該施設に係る業務を行う者のうち、油の取り扱いに関する業務を行う者に周知させなければならない。
(4) 法第7条の2第2項及び第40条の2第1項並びに技術上の基準を定める省令第35条及び省令第34条の2第1項に規定する油濁防止緊急措置手引書は、別紙第3、別紙第4、別紙第5及び別冊第1のとおりとする。
8 油記録簿
(1) 油記録簿を備え付ける艦船
艦船は、油記録簿を当該艦船内(非自走の支援船にあっては当該支援船が所属する部隊)に備え付けるものとする。ただし、タンカー以外で全長25メートル以下の艦船にあっては、この限りでない。
(2) 油記録簿の保存
油記録簿は、3年間保存しなければならない。
(3) 油記録簿の署名
油記録簿の「当該作業の責任者の署名」は、機関長又はこれに準ずる幹部自衛官が行うものとする。
(4) 油記録簿の様式及び記載要領
別紙様式第1及び別紙様式第2のとおりとする。
9 船舶発生廃棄物汚染防止規程
(1) 法第10条の2第1項及び省令第12条の3の8に規定する船舶発生廃棄物汚染防止規程を備え置くべき艦船は、全長50メートル以上の艦船及び最大搭載人員15名以上の艦船(この項において「適用艦船」という。)とする。
ただし、搭載艇及びカッターにあっては、この限りではない。
(2) 法第10条の2第1項及び省令第12条の3の9に規定する船舶発生廃棄物汚染防止規程は、別冊第2のとおりとする。
(3) 適用艦船の長(艦船の長が置かれていない支援船については、当該支援船が所属する部隊又は機関にあって、支援船を運用することと定められている課又は科の長)は、船舶発生廃棄物汚染防止規程に所要事項を記載し、内容を当該艦船の乗員及び乗員以外の者で当該艦船に係る業務を行う者(以下「乗員等」という。)に周知させなければならない。
10 船舶発生廃棄物記録簿
(1) 法第10条の3及び省令第12条の3の10に規定する船舶発生廃棄物記録簿(以下「記録簿」という。)を備え置くべき艦船は、全長50メートル以上及び最大搭載人員15名以上の自衛艦とする。
(2) 記録簿の様式及び記載要領は、別紙様式第3のとおりとする。
11 船舶発生廃棄物の排出に関して遵守すべき事項等の掲示
(1) 法第10条の4及び省令第12条の3の12第1項に規定する船舶発生廃棄物の排出に関して遵守すべき事項等(以下「プラカード」という。)を掲示すべき艦船は、全長12メートル以上の艦船(この項において「適用艦船」という。)とする。ただし、搭載艇にあっては、この限りではない。
(2) 法第10条の4に規定するプラカードは、別紙第6のとおりとする。
(3) 適用艦船の長(艦船の長が置かれていない支援船については、当該支援船が所属する部隊又は機関にあって、支援船を運用することと定められている課又は科の長)は、プラカードを艦船内の適当な場所に掲示しなければならない。ただし、国際航海に従事する場合にあっては、期間中、別紙第7に示す英訳をプラカードに適宜添付するものとする。
12 油排出時の通報等
法第38条に規定する油の排出があった場合又は海難等により油の排出のおそれがある場合、当該艦船の長並びに油保管施設等の管理者は、直ちに排出油防除に必要な措置を講ずるとともに、油濁防止緊急措置手引書に規定する事項(油濁防止緊急措置手引書を備えていない艦船は省令第27条及び第30条の3に規定する事項)を海上保安機関に直接又は自衛艦隊司令官等を通じ通報するほか、環境保全関係事項の報告について(通達)(海幕総第1377号。51.4.1)により、報告又は通報しなければならない。
添付書類:1 別紙第1〜別紙第7
2 別表様式第1〜別表様式第3
3 別表
4 別冊第1・別冊第2
別紙第1
油 濁 防 止 規 程
(補 給 艦 等 用)
1 目 的
この規程は、法第7条の規定に基づき、油の不適正な排出の防止に関する業務の管理に関する事項、油の取扱いに関する作業を行う者が遵守すべき事項その他油の不適正な排出の防止に関する事項について定め、海洋の油による汚染を防止することを目的とする。
2 油濁防止管理者の選任及び解任
(1) 補給艦等の長は、この通達第5項の規定に基づき、油濁防止管理者を選任し、その旨油記録簿に記載するとともに、当該補給艦等の乗員に周知しなければならない。
(2) 補給艦等の長は、油濁防止管理者が職務に不適任であると認める場合及び法に違反する行為を行った場合は、解任するものとする。
3 油濁防止管理者の職務
(1) 油記録簿の記載及び保管に関する事項
(2) 油の不適正な排出の防止及び油が排出された場合の除去作業に関する事項
(3) 油の取扱い作業に関する事項
(4) その他、補給艦等の長が定める事項
4 廃油処理施設の利用
(1) 自隊廃油処理施設を利用すべき場合
地方総監の定めるところによる。
(2) 公営又は民間廃油処理施設を利用すべき場合
港湾管理者の定めるところによる。
5 乗員が守るべき事項の周知及び教育
補給艦等の長は、油の不適正な排出の防止のため、次の各号に掲げる事項について乗員に対し周知及び教育を行わなければならない。
(1) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律及び関係法令
(2) 油濁防止規程及び油濁防止緊急措置手引書等
(3) 油類取扱い作業の留意事項
(4) その他必要と認める事項
6 その他
(1) 省令第11条の2第3項及び第4項に規定する油の不適正な排出の防止のためにとるべき措置等については、補給艦等の長が定めるものとする。
(2) 補給艦等の長は、船体の構造、諸管系、油水分離器、漏油防止装置、油の種類、航路の状況等から前号の規定により定めた事項を改正することが適当と認められる場合は、速やかに改正するものとする。
別紙第2
油 濁 防 止 規 程
(補給艦等以外の艦船等用)
1 目的
この規程は、法第7条の規定に基づき、油の不適正な排出の防止に関する業務の管理に関する事項、油の取扱いに関する作業を行う者が遵守すべき事項その他油の不適正な排出の防止に関する事項について定め、海洋の油による汚染を防止することを目的とする。
2 艦船等の長の職務
(1) 油記録簿の記載及び保管に関する事項
(2) 油の不適正な排出の防止及び油が排出された場合の除去作業に関する事項
(3) 油の取扱い作業に関する事項
(4) その他、必要な事項
3 廃油処理施設の利用
(1) 自隊廃油処理施設を利用すべき場合
地方総監の定めるところによる。
(2) 公営又は民間廃油処理施設を利用すべき場合
港湾管理者の定めるところによる。
4 乗員が守るべき事項の周知及び教育
艦船等の長は、油の不適正な排出の防止のため、次の各号に掲げる事項について乗員に対し周知及ぴ教育を行わなければならない。
(1) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律及び関係法令
(2) 油濁防止規程及び油濁防止緊急措置手引書等
(3) 油類取り扱い作業の留意事項
(4) その他必要と認める事項
5 その他
(1) 省令第11条の2第3項及び第4項に規定する油の不適正な排出の防止のためにとるべき措置等については、艦船等の長が定めるものとする。
(2) 艦船等の長は、船体の構造、諸管系、油水分離器、漏油防止装置、油の種類、航路の状況等から前号の規定により定めた事項を改正することが適当と認められる場合は、速やかに改正するものとする。
別紙第3
油濁防止緊急措置手引書
(補給艦用)
所 属
艦種番号
艦 船 名
定 係 港
序 文
1 本手引書は、1978年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書によって修正された1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約(以下「MARPOL73/78条約」という。)附属書第26規則及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)第7条の2の規定に従って作成されている。
2 本手引書の目的は、油汚染事故(船舶から油の不適正な排出があり、又は排出のおそれがある場合をいう。以下同じ。)に対処するための指針を与えることにある。
3 本手引書には、MARPOL73/78条約附属書第26規則、国際海事機関(IMO)において作成された「油濁防止緊急措置手引書の作成のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)並びに海洋汚染防止法及び関係省令により要求されているすべての情報及び行動の指示が記載されている。付録には、他の参考資料とともに本手引書の中で参照すべき連絡先の名称、電話、番号、テレックス番号等が記載されている。
4 付録は、艦船の長により最新の状態に維持されなければならない。
目 次
第1章 総 則
第2章 通報手続
2.1 通報を要するとき
2.2 通報事項
2.3 通報先
第3章 排出の制御
3.1 船舶の運航に伴う排出
3.2 事故に起因する排出
第4章 国及び地方当局との調整
4.1 排出油の防除のための国及び地方当局との調整
4.2 沿岸国の防除体制
第5章 その他
5.1 排出油防除資材
5.2 手引書の見直し
5.3 教育及び訓練
5.4 記録の保管
付 録
沿岸国連絡先リスト
海上保安庁連絡先リスト
湾岸当局連絡先リスト
関係者連絡先リスト
国及び地方当局の防除の役割及び責任に関する情報
排出油防除資材の在庫目録
フローチャート
関係図面
第1章 総 則
1.1 本手引書の目的は、油汚染事故に伴う油の排出を削減し、又は制御するために艦船内にある者が直ちにとるべき措置に関する事項について、艦船の乗組員に指針を与えることにある。
1.2 本手引書は、燃料油の補給等艦船の運航に伴う油の排出のみならず、海難等の事故に起因する大規模な油の排出に対処するための指針も示している。
1.3 油汚染事故があった場合において、油の排出を削減してその影響を緩和するためには、関係機関への通報、船上での排出の制御、外部機関との調整が重要であり、本手引書の指針に従いこれらを適正に実施する必要がある。
1.4 本手引書がその目的を達成するためには、本手引書が艦船の乗組員及び陸上の船舶の管理に携わる者により理解されていることが必要である。
第2章 通報手続
2.1 通報を要するとき
MARPOL73/78条約第8条及び議定書1並びに海洋汚染防止法及び関係省令の規定に従い、油汚染事故があった場合は、艦船の長(艦船の長以外の者が代わってその職務を行うべきときは、その者。以下同じ。)は、直ちに最寄りの海上保安機関(日本国の沿岸にあっては、海上保安庁の事務所をいう。以下同じ。)に通報しなければならない。
2.1.1 油の排出があった場合の通報:
次に掲げる油の不適正な排出について、直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
.1 船体又は設備の損傷等による油の排出
.2 船舶の安全の確保又は海上での人命救助の目的でなされた油の排出
.3 船舶の運航中におけるMARPOL73/78条約に定められた油分の濃度を越える油の排出
2.1.2 油の排出のおそれがある場合の通報:
次に掲げる事項を考慮して、船舶の衝突、乗揚げ、機関の損傷その他の海難により油の不適正な排出のおそれがあると判断される場合は、この旨を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
.1 船体、機関又は設備の損傷、故障又は破損の程度
.2 船舶の位置及び陸岸又は他の航行上の危険との接近の度合い
.3 気象、潮汐、潮流及び海象
.4 船舶交通の幅榛度
2.1.3 一般的に次に掲げる場合は、通報の対象となる油の不適正な排出のおそれがある場合である。
・1 船舶の衝突、乗揚げ、火災、爆発、構造的破壊、浸水、貨物移動等により船舶の安全に影響を与える損傷、故障又は破損が生じたとき。
・2 操舵装置、推進器、発電システム、主要な航海機器等の故障又は破損により航海の安全が損なわれたとき。
2.2 通報事項
2.2.1 通報事項は、表1に示す初期通報標準様式によること。また、補足通報又は追加通報についても可能な限り同様式によることとする。
2.2.2 通報は、次に掲げる手続により実施すること。
.1 第1報は、直ちに行うものとし、判明していない事項については逐次通報すること。
.2 補足通報は、最初の通報を必要に応じて補足するものであり、事態の進展に関する情報を提供すること。
.3 追加情報は、沿岸国からの追加情報の要請により行うこととし、できる限り要請に応ずること。
2.3 通報先
2.3.1 海上保安機関:
.1 外国の沿岸において、海上保安機関に通報する場合は、付録1「沿岸国連絡先リスト」による。なお、当該リストの連絡先が不在の場合又は何らかの理由により直接の手段による通報が極度に遅れた場合は、最寄りの海上保安機関に通報することに加えて艦船の長は、最寄りの沿岸無線局、船位通報局又は救助調整センター等に通報するように努めること。
.2 日本国の沿岸において、海上保安庁の事務所に通報する場合は、付録「海上保安庁連絡先リスト」による。
2.3.2 港湾当局:
油汚染事故が定期的に入港する沿岸国の港で発生した場合は、艦船の長は、必要に応じて当該港湾当局に事故の概要を通報することが望ましい。この場合の通報先は、付録「港湾当局連絡先リスト」による。なお、当該リストを事前に準備できない場合は、艦船の長は、入港までに当該港の通報手続に関する情報の入手に努めること。
2.3.3 自艦関係者:
油汚染事故が発生した場合は、艦船の長は、関係部隊に事故の概要を通報すること。この場合の通報先は、付録「関係者連絡先リスト」による。
表1 初期通報標準様式
第3章 排出の制御
本章に規定する油の排出を制御するために直ちにとるべき措置のうち、関係するポンプ及びバルブの操作に当たっては、付録として添付している「管系統図」を参考にして、誤操作の防止に努めること。
3.1 船舶の運航に伴う排出
3.1.1 一般
□ 貨物油若しくは燃料油の移送(艦内における油の移動をいう。以下同じ。)作業、荷役作業又は補給作業中に漏油が発生した場合は、できる限り早い方法で当該作業を中止すること。
□ 措置を講じる際は、ガス濃度等の検知を行い、必要に応じて呼吸具等を使用すること。
□ 漏油の発生源及び原因を確定するとともに、油吸着材、ソーダスト(おがくず)、ウエス等の油清掃資材により、漏油の舷外への排出を最小限に抑えるための措置を直ちにとること。
□ 漏油の原因が解明され、その原因が排除されるまで、移送作業、荷役作業又は補給作業は再開しないこと。
□ 除去した油及び使用した油清掃資材は、清掃会社、油防除処理会社等に引き渡すなど適正に処分すること。
3.1.2 基準を超えたビルジ等の排出
□ 油水分離器の整備不良、老朽化等により油分の濃度が基準を超えたビルジ等の排出が認められた場合は、直ちに油水分離器用ポンプの電源を切り、舷外排出バルブを閉めること。
□ ビルジ用濃度監視装置を設置している船舶であって、当該ビルジ用濃度監視装置の故障により油分の濃度が基準を超えたビルジ等の排出が認められた場合は、直ちに油水分離器用ポンプ及びビルジ用濃度監視装置の電源を切るとともに、舷外排出バルブを手動により閉めること。
3.1.3 基準を超えた水バラスト等の排出
□ 自動排出停止装置を備えていないバラスト用油排出監視制御装置の故障により油分の総量及び瞬間排出率が基準を超えた水バラスト等の排出が認められた場合は、直ちに舷外排出ポンプを停止するとともに、舷外排出バルブを手動により閉めること。
□ 自動排出停止装置を備えているバラスト用油排出監視制御装置の故障により油分の総量及び瞬間排出率が基準を超えた水バラスト等の排出が認められた場合は、直ちに舷外排出ポンプを停止し、監視記録装置の電源を切った上で、舷外排出バルブを手動により閉めること。
3.1.4 パイピングの漏洩
□ スロップ移送装置から油の漏洩がある場合は、直ちに当該スロップ移送装置内の圧力を低下させ、ポンプを使用してスロップ移送装置内の油をタンクに移送すること。
□ パイプラインから漏洩がある場合は、直ちに当該パイプライン内の油の圧力を低下させ、グラビティにより、又はポンプを使用してパイプライン内の油をタンクに移送すること。
□ 貨物油タンクを貫通している分離バラストタンク又はクリーンバラストタンクの管系から油の漏洩がある場合は、直ちに当該バラストラインの関係バルブを閉鎖するとともに、バラストの排出を禁止すること。
□ 漲排水に使用するシーバルブに連結しているパイプライン内に油の漏洩がある場合は、シーバルブを開放してはならない。
3.1.5 タンクのオーバーフロー
□ 貨物油タンク又は燃料油タンクからオーバーフローが生じた場合は、直ちに当該タンクに移送、積荷又は補給を行っているポンプを停止し、関連バルブを閉鎖すること。
□ オーバーフローしたタンクの油を直ちに余積のあるタンクヘ移送すること。
□ 上甲板に滞留した油を回収する場合であってタンクヘの落とし込みバルブ等の開放により回収するときは、タンクの圧力によって漏油が拡散しないように予め必要な措置を講じておくこと。また、ポータブルポンプの使用も考慮すること。
3.1.6 船体からの漏洩
□ 船体からの漏洩に対する措置に当たっては、船体の応力及び復原性について十分に配慮すること。
□ 喫水線以上の部位からの漏洩の場合は、直ちにタンク内の貨物油又は燃料油の移送を行い、当該タンク内の液位を海面より十分に下げること。
□ 海面以下の部位からの漏洩が予想される場合は、直ちに破ロクンクの上甲板の開口部を閉鎖すること(例えば、ベントバルブ等の閉鎖)により当該タンク内の圧力を下げること。
□ 漏洩しているタンクが特定できない場合は、付近の全てのタンクレベルを下げること。
□ 艦内での油の移送が困難な場合は、瀬取り又は陸上タンクヘの油の移替えを検討すること。
□ 上記措置を講じても油の漏洩が続く場合は、ダイバー等による調査を行い原因を解明すること。
3.1.7 排出した油への対応
□ 艦船の長は、油汚染事故が発生した場合は、乗組員に対し油防除部署配置を発令すること。
□ 艦船の長は、油汚染事故が発生した場合は、第2章の規定に従い、直ちに最寄りの海上保安機関、港湾当局及び関係者に通報ること。
□ 必要に応じて油防除処理会社に作業を要請すること。
□ 自艦、随伴船又は陸上の備付基地に排出油防除資材を備え付けている場合であって、事故の状況等を考慮した上でその使用が可能であるときは、オイルフェンスを展張し、油の拡散を防止するとともに、できる限り油吸着材等により油を回収すること。
□ 排出油防除資材のうち、油処理剤又は油ゲル化剤の使用に当たっては、技術上の基準に適合したものを周囲の状況を十分に考慮して使用すること。また、油処理剤又は油ゲル化剤を外国の沿岸で使用する場合は、当該沿岸国の承認を事前に受けること。
3.2 事故に起因する排出
3.2.1 艦船の長が優先してとるべき措置
□ 人命の安全の確保を最優先し、次の事項を考慮すること。
死傷者の有無の確認
救助要請の要否の判断
総員離艦の決断
□ 3.2.2から3.2.7までの措置に当たっては、船体の応力及び損傷時の復原性について十分に配慮すること。
□ 目視検査及びタンク等の測深により損傷に関する詳細な情報を入手すること。ただし、測深孔や覗き孔の開口は、浮力が減少する結果となりうるので、その開口には十分な注意を払うこと。
□ 周囲の状況から判断して、当該海域に留まることが事態を悪化させると予想される場合は、安全な場所へ自艦をシフトすること。
□ 必要に応じて船体安全確保のための積荷等のシフトも考慮すること。
□ 油の排出を伴う事故の場合は、火災と爆発を防ぐため、できる限り次の措置を講じること。
排出油の風上への船位の移動
空気取入口の閉鎖
引火性ガスの居住区域及び機関区域への侵入の防止
引火源の排除
居住区域及び機関区域の定期的なガス検知
消火装置及び消火器の準備
喫煙その他の火気管理の徹底
□ ガスの滞留するおそれのある場所での作業は、ガスフリー及びガス検知を行うなど有害ガスの人体への影響を十分配慮して行うこと。
3.2.2 座礁への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 座礁の状態、船底の状態及び損傷箇所の確認を行い、離礁の可能性及びその適否を確認すること。
□ 自力離礁が困難と判断される場合は、直ちにサルベージ会社に離礁の要請を行うこと。
□ 座礁により浸水等が発生した場合は、浸水を最小限に食い止めるため、開口部の閉鎖等による防水処置を行うこと。
3.2.3 火災・爆発への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 有効かつ適切な初期消火活動を行うとともに、救助艇の状態など人命救助のための離艦準備と離艦命令の時期を逸しないよう心掛けること。
□ 火元付近にあるペイント缶、ウエス、ロープ類等の可燃性備品又は爆発性の物品を直ちに他の場所に移動すること。
□ 風による火勢の増大の可能性がある場合は、停止するか、風下に向かって操艦するなど火災の拡大を防止すること。
□ 出入口扉、舷窓、天窓、通風筒等の開口部を閉鎖し、通風装置を停止すること。また、必要に応じて周辺部分を冷却すること。
□ 火煙が消火活動の妨げにならないよう操艦すること。
□ 火災の場所に通じる電源は、非常時に使用される電源を除き、すべて遮断すること。
3.2.4 衝突への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 自艦の損傷箇所及び浸水の有無を調査し、その程度に応じて応急措置を行い、損害の拡大を防止すること。
□ 損傷調査の結果、浸水がある場合は、その場所及び程度に応じて防水扉の閉鎖、木栓、防水マット、セメントボックス、隔壁の補強、排水ポンプの使用等適切な防排水措置をとること。
□ 防排水処置を施しても浸水がひどく、沈没の危険性がある場合は、適当な場所へ任意座洲することを考慮すること。
3.2.5 船体損傷への対応
□ 喫水線以上の部位からの油の排出が予想される場合は、直ちにタンク内の貨物油又は燃料油の移送を行い、当該タンク内の液位を海面より十分に下げること。
□ 海面以下の部位からの油の排出が予想される場合は、直ちに破口タンクの上甲板の開口部を閉鎖すること(例えば、ベントバルブ等の閉鎖)により当該タンク内の圧力を下げること。
□ 艦船内での油の移送が困難な場合は、瀬取り又は陸上タンクヘの油の移替えを検討すること。
3.2.6 極度の傾斜への対応
□ 艦船の損傷箇所及び浸水の有無を調査し、その程度に応じて応急措置を行い、損害の拡大を防止すること。
□ 損傷調査の結果、浸水がある場合は、その場所及び程度に応じて防水扉の閉鎖、木栓、防水マット、セメントボックス、隔壁の補強、排水ポンプの使用等適切な防排水措置をとること。
□ 防排水処置を施しても浸水がひどく、沈没の危険性がある場合は、適当な場所へ任意座洲することを考慮すること。
3.2.7 油の排出への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し油防除部署を発令すること。
□ 艦船の長は、油汚染事故が発生した場合は、第2章の規定に従い、直ちに最寄りの海上保安機関、港湾当局及び関係者に通報すること。
□ 油の排出を軽減するため、直ちに次の措置を講じること。
排出部分の閉鎖
排出タンクの内部圧力の軽減
関係配管の閉鎖及び遮断
□ バラスト調整等により、直ちに油の排出防止に最適なコンディションとすること。
□ 引き続く油の排出を防止するため、直ちにタンク内の残油を他のタンクに移送すること。
□ 引き続く油の排出を防止するため、必要に応じてタンク内の残油の瀬取りを行うこと。この場合において、次に掲げる事項に留意すること。
瀬取りを行うに当たって沿岸国と調整する必要がある場合は、事前に調整を行うこと。
相手船と接舷の方法及び接舷側を協議すること。
相手船と接舷に必要な気象、海象、地形等を詳細に連絡すること。
相手船とどちらのポンプを使用するか協議すること。
相手船と貨物油の種別、数量、温度及び比重並びに各タンクの積載量等について確認を行うこと。
使用するホースの必要な長さ、口径及び使用レジューサーの確認を行うこと。
作業に際しては、スタンバイ、スロー、スタート、ストップ等必要最低限の用語の統一をすること。
使用する荷役ホースは、曲がりや引っ張りに注意し、十分余裕のあるものを使用すること。
□ 自艦、随伴船又は陸上の備付基地に排出油防除資材を備え付けている場合であって、事故の状況等を考慮した上でその使用が可能であるときは、オイルフェンスを展張し、油の拡散を防止するとともに、できる限り油吸着材等により油を回収すること。
□ 排出油防除資材のうち、油処理剤又は油ゲル化剤の使用に当たっては、技術上の基準に適合したものを周囲の状況を十分に考慮して使用すること。また、油処理剤又は油ゲル化剤を外国の沿岸で使用する場合は、当該沿岸国の承認を事前に受けること。
□ 離艦時には、燃料油タンク管系の吸引元バルブを閉鎖するほか、貨物油タンク又は燃料油タンクに連結しているエアーパイプ、ベントパイプ等の開口部を確実に閉鎖すること。この場合において、バルブが備え付けられている開口部にあっては当該バルブを閉鎖し、バルブが備え付けられていない開口部にあってはウエス等を使用して閉鎖すること。
□ 離艦時には、緊急用曳索を備えている船舶にあっては、船首尾に当該緊急用曳索をセットし、索端部を海面付近まで垂下すること。
第4章 国及び地方当局との調整
4.1 排出油の防除のための国及び地方当局との調整
4.1.1 油汚染事故の影響を緩和するために、排出油の防除に当たっては、排出油防除資材の種類及び量(艦船内に備え付けている場合に限る。)並びに第3章の規定に基づき排出油の防除について直ちにとった措置の内容を考慮して、国(海上保安機関をいう。以下同じ。)及び地方当局(沿岸国の場合に限るとともに、その港湾当局を含む。以下同じ。)と自艦との役割分担を明確にするとともに、連絡を密にしなければならない。
4.1.2 艦船の長は、排出油の防除に関する自艦の連絡責任者を国及び地方当局に通報しなければならない。
4.2 沿岸国の防除体制
排出油の防除のための国及び地方当局との調整に当たっては、付録V「国及び地方当局の防除の役割及び責任に関する情報」を参照すること。
第5章 そ の 他
5.1 排出油防除資材
自艦が現在備え付けている排出油防除資材は、付録「排出油防除資材の在庫目録」のとおりである。
5.2 手引書の見直し
本手引書の付録からまでの連絡先リストは、原則として常に最新のものに書き換えられている必要があることから、艦船の長は、これらのリスト中に変更すべき事項を知り得た場合は、この旨を上級部隊に通知すること。
5.3 教育及び訓練
5.3.1 艦船の長は、油汚染事故に際して第3章の排出の制御に係る機器等の取扱いが確実に行われるために、乗組員に対し教育を適宜実施すること。
5.3.2 艦船の長は、油汚染事故に際して本手引書が機能するように、次のとおり訓練を実施すること。
.1 訓練は、抜打ち又は事前周知のいずれかの方法で実施すること。
.2 艦内通信訓練は、第3章の排出の制御に係る部署配置について毎月1回実施すること。
.3 本手引書の全部を網羅した訓練は、自艦関係者を含めるものとし、少なくとも3年に1回実施すること。
5.4 記録の保管
5.4.1 艦船の長は、油汚染事故に際してとった排出油の防除の記録を3年間保管すること。
5.4.2 艦船の長は、教育及び訓練の記録を3年間保管すること。
付録 沿岸国連絡先リスト
付録 海上保安庁連絡先リスト
付録 港湾当局連絡先リスト
付録 関係者連絡先リスト
1 自艦関係者の連絡先
2 その他の関係者の連絡先
付録 国及び地方当局の防除の役割及び責任に関する情報
付録 排出油防除資材の在庫目録
付録 フローチャート
付録 関係図面
1 船舶主要目表
2 一般配置図
3 タンク容積図
4 船体中央横断面図
5 ビルジ管、バラスト管及び燃料油管系統図
6 貨物油管系統図
7 水バラスト等排出管装置系統図
別紙第4
油濁防止緊急措置手引書
(油船及び廃油船用)
所 属
艦種番号
艦 船 名
定 係 港
序 文
1 本手引書は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)第7条の2の規定に従って作成されている。
2 本手引書の目的は、油汚染事故(船舶から油の不適正な排出があり、又は排出のおそれがある場合をいう。以下同じ。)に対処するための指針を与えることにある。
3 本手引書には、海洋汚染防止法及び関係省令により要求されているすべての情報及び行動の指示が記載されている。付録には、他の参考資料とともに本手引書の中で参照すべき連絡先の名称、電話番号、テレックス番号等が記載されている。
4 付録は、船長により最新の状態に維持されなければならない。
目 次
第1章 総 則
第2章 通報手続
2.1 通報を要するとき
2.2 通報事項
2.3 通報先
第3章 排出の制御
3.1 船舶の運航に伴う排出
3.2 事故に起因する排出
第4章 国との調整
4.1 排出油の防除のための国との調整
4.2 国の防除体制
第5章 その他
5.1 排出油防除資材
5.2 手引書の見直し
5.3 教 育
付 録
海上保安庁連絡先リスト
関係者連絡先リスト
国の防除の役割及び責任に関する情報
排出油防除資材の在庫目録
フローチャート
関係図面
第1章 総 則
1.1 本手引書の目的は、油汚染事故に伴う油の排出を削減し、又は制御するために船舶内にある者が直ちにとるべき措置に関する事項について、船舶の乗組員に指針を与えることにある。
1.2 本手引書は、貨物油の荷役、燃料油の補給等船舶の運航に伴う油の排出のみならず、海難等の事故に起因する大規模な油の排出に対処するための指針も示している。
1.3 油汚染事故があった場合において、油の排出を削減してその影響を緩和するためには、関係機関への通報、船上での排出の制御、外部機関との調整が重要であり、本手引書の指針に従いこれらを適正に実施する必要がある。
1.4 本手引書がその目的を達成するためには、本手引書が船舶の乗組員及び陸上の船舶の管理に携わる者により理解されていることが必要である。
第2章 通報手続
2.1 通報を要するとき
海洋汚染防止法及び関係省令の規定に従い、油汚染事故があった場合は、船長(船長以外の者が代わってその職務を行うべきときは、その者。以下同じ。)は、直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。
2.1.1 油の排出があった場合の通報:
次に掲げる油の不適正な排出について、直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。
.1 船体又は設備の損傷等による油の排出
.2 船舶の安全の確保又は海上での人命救助の目的でなされた油の排出
.3 船舶の運航中における海洋汚染防止法に定められた油分の濃度、総量又は瞬間排出率を越える油の排出
2.1.2 油の排出のおそれがある場合の通報:
次に掲げる事項を考慮して、船舶の衝突、乗揚げ、機関の損傷その他の海難により油の不適正な排出のおそれがあると判断される場合は、この旨を直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。
.1 船体、機関又は設備の損傷、故障又は破損の程度
.2 船舶の位置及び陸岸又は他の航行上の危険との接近の度合い
.3 気象、潮汐、潮流及び海象
.4 船舶交通の幅輳度
2.1.3 一般的に次に掲げる場合は、通報の対象となる油の不適正な排出のおそれがある場合である。
.1 船舶の衝突、乗揚げ、火災、爆発、構造的破壊、浸水、貨物移動等により船舶の安全に影響を与える損傷、故障又は破損が生じたとき。
.2 操舵装置、推進器、発電システム、主要な航海機器等の故障又は破損により航海の安全が損なわれたとき。
2.2 通報事項
2.2.1 通報事項は、表1に示す初期通報標準様式によること。また、補足通報についても可能な限り同様式によることとする。
2.2.2 通報は、次に掲げる手続により実施すること。
.1 第1報は、直ちに行うものとし、判明していない事項については逐次通報すること。
.2 補足通報は、最初の通報を必要に応じて補足するものであり、事態の進展に関する情報を提供すること。
2.3 通報先
2.3.1 海上保安庁の事務所:
海上保安庁の事務所に通報する場合は、付録「海上保安庁連絡先リスト」による。
2.3.2 自船関係者:
油汚染事故が発生した場合は、船長は、関係部隊に事故の概要を通報すること。この場合の通報先は、付録「関係者連絡先リスト」による。
表1 初期通報標準様式
第3章 排出の制御
本章に規定する油の排出を制御するために直ちにとるべき措置のうち、関係するポンプ及びバルブの操作に当たっては、付録として添付している「管系統図」を参考にして、誤操作の防止に努めること。
3.1 船舶の運航に伴う排出
3.1.1 一般
□ 貨物油若しくは燃料油の移送(船内における油の移動をいう。以下同じ。)作業、荷役作業又は補給作業中に漏油が発生した場合は、できる限り早い方法で当該作業を中止すること。
□ 措置を講じる際は、できる限りガス濃度等の検知を行い、必要に応じて呼吸具等を使用すること。
□ 漏油の発生源及び原因を確定するとともに、油吸着材、ソーダスト(おがくず)、ウエス等の油清掃資材により、漏油の舷外への排出を最小限に抑えるための措置を直ちにとること。
□ 漏油の原因が解明され、その原因が排除されるまで、移送作業、荷役作業又は補給作業は再開しないこと。
□ 除去した油及び使用した油清掃資材は、清掃会社、油防除処理会社等に引き渡すなど適正に処分すること。
3.1.2 基準を超えたビルジ等の排出
□ 油水分離器の整備不良、老朽化等により油分の濃度が基準を超えたビルジ等の排出が認められた場合は、直ちに油水分離器用ポンプの電源を切り、舷外排出バルブを閉めること。
□ ビルジ用濃度監視装置を設置している船舶であって、当該ビルジ用濃度監視装置の故障により油分の濃度が基準を超えたビルジ等の排出が認められた場合は、直ちに油水分離器用ポンプ及びビルジ用濃度監視装置の電源を切るとともに、舷外排出バルブを手動により閉めること。
3.1.3 パイピングの漏洩
□ パイプラインから漏洩がある場合は、直ちに当該パイプライン内の油の圧力を低下させ、グラビティにより、又はポンプを使用してパイプライン内の油をタンクに移送すること。
□ 法排水に使用するシーバルブに連結しているパイプライン内に油の漏洩がある場合は、シーバルブを開放してはならない。
3.1.4 タンクのオーバーフロー
□ 貨物油タンク又は燃料油タンクからオーバーフローが生じた場合は、直ちに当該タンクに移送、積荷又は補給を行っているポンプを停止し、関連バルブを閉鎖すること。
□ オーバーフローしたタンクの油を直ちに余積のあるタンクヘ移送すること。
3.1.5 船体からの漏洩
□ 船体からの漏洩に対する措置に当たっては、船体の応力及び復原性について十分に配慮すること。
□ 喫水線以上の部位からの漏洩の場合は、可能であればタンク内の貨物油又は燃料油の移送を行い、当該タンク内の液位を海面より十分に下げること。
□ 海面以下の部位からの漏洩が予想される場合は、直ちに破ロタンクの上甲板の開口部を閉鎖すること(例えば、ベントバルブ等の閉鎖)により当該タンク内の圧力を下げること。
□ 漏洩しているタンクが特定できない場合は、付近の全てのタンクレベルを下げること。
□ 船内での油の移送が困難な場合は、瀬取り又は陸上タンクヘの油の移替えを検討すること。
□ 上記措置を講じても油の漏洩が続く場合は、ダイバー等による調査を行い原因を解明すること。
3.1.6 排出した油への対応
□ 船長は、油汚染事故が発生した場合は、乗組員に対し油防除部署を発令すること。
□ 船長は、油汚染事故が発生した場合は、第2章の規定に従い、直ちに最寄りの海上保安庁の事務所及び関係者に通報すること。
□ 必要に応じて油防除処理会社に作業を要請すること。
□ 自船に排出油防除資材を備え付けている場合であって、事故の状況等を考慮した上でその使用が可能であるときは、オイルフェンスを展張し、油の拡散を防止するとともに、できる限り油吸着材等により油を回収すること。
□ 排出油防除資材のうち、油処理剤又は油ゲル化剤の使用に当たっては、技術上の基準に適合したものを周囲の状況を十分に考慮して使用すること。
3.2 事故に起因する排出
3.2.1 船長が優先してとるべき措置
□ 人命の安全の確保を最優先し、次の事項を考慮すること。
死傷者の有無の確認
救助要請の要否の判断
総員離艦の決断
□ 3.2.2から3.2.7までの措置に当たっては、船体の応力及び損傷時の復原性について十分に配慮すること。
□ 目視検査及びタンク等の測深により損傷に関する詳細な情報を入手すること。ただし、測深孔や覗き孔の開口は、浮力が減少する結果となりうるので、その開口には十分な注意を払うこと。
□ 周囲の状況から判断して当該海域に留まることが事態を悪化させると予想される場合は、安全な場所へ自船をシフトすること。
□ 必要に応じて船体安全確保のための積荷等のシフトも考慮すること。
□ 油の排出を伴う事故の場合は、火災と爆発を防ぐため、できる限り次の措置を講じること。
排出油の風上への船位の移動
空気取入口の閉鎖
引火性ガスの居住区域及び機関区域への侵入の防止
引火源の排除
居住区域及び機関区域の定期的なガス検知
消火装置及び消火器の準備
喫煙その他の火気管理の徹底
□ ガスの滞留するおそれのある場所での作業は、ガスフリー及びガス検知を行うなど有害ガスの人体への影響を十分配慮して行うこと。
3.2.2 座礁への対応
□ 船長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 座礁の状態、船底の状態及び損傷箇所の確認を行い、離礁の可能性及びその適否を確認すること。
□ 自力離礁が困難と判断される場合は、直ちにサルベージ会社に離礁の要請を行うこと。
□ 座礁により浸水等が発生した場合は、浸水を最小限に食い止めるため、開口部の閉鎖等による防水処置を行うこと。
3.2.3 火災・爆発への対応
□ 船長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 有効かつ適切な初期消火活動を行うとともに、救助艇の状態など人命救助のための離艦準備と離艦命令の時期を逸しないよう心掛けること。
□ 火元付近にあるペイント缶、ウエス、ロープ類等の可燃性備品又は爆発性の物品を直ちに他の場所に移動すること。
□ 風による火勢の増大の可能性がある場合は、停止するか、風下に向かって操船するなど火災の拡大を防止すること。
□ 出入口扉、舷窓、天窓、通風筒等の開口部を閉鎖し、通風装置を停止すること。また、必要に応じて周辺部分を冷却すること。
□ 火煙が消火活動の妨げにならないよう操船すること。
□ 火災の場所に通じる電源は、非常時に使用される電源を除き、すべて遮断すること。
3.2.4 衝突への対応
□ 船長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 自船の損傷箇所及び浸水の有無を調査し、その程度に応じて応急措置を行い、損害の拡大を防止すること。
□ 損傷調査の結果、浸水がある場合は、その場所及び程度に応じて防水扉の閉鎖、木栓、防水マット、セメントボックス、隔壁の補強、排水ポンプの使用等適切な防排水措置をとること。
□ 防排水処置を施しても浸水がひどく、沈没の危険性がある場合は、適当な場所へ任意座洲することを考慮すること。
3.2.5 船体損傷への対応
□ 喫水線以上の部位からの油の排出が予想される場合は、可能であればタンク内の貨物油又は燃料油の移送を行い、当該タンク内の液位を海面より十分に下げること。
□ 海面以下の部位からの油の排出が予想される場合は、直ちに破ロタンクの上甲板の開口部を閉鎖すること(例えば、ベントバルブ等の閉鎖)により当該タンク内の圧力を下げること。
□ 船内での油の移送が困難な場合は、瀬取り又は陸上タンクヘの油の移替えを検討すること。
3.2.6 極度の傾斜への対応
□ 自船の損傷箇所及び浸水の有無を調査し、その程度に応じて応急措置を行い、損害の拡大を防止すること。
□ 損傷調査の結果、浸水がある場合は、その場所及び程度に応じて防水扉の閉鎖、木栓、防水マット、セメントボックス、隔壁の補強、排水ポンプの使用等適切な防排水措置をとること。
□ 防排水処置を施しても浸水がひどく、沈没の危険性がある場合は、適当な場所へ任意座洲することを考慮すること。
3.2.7 油の排出への対応
□ 船長は、乗組員に対し油防除部署を発令すること。
□ 船長は、油汚染事故が発生した場合は、第2章の規定に従い、直ちに最寄りの海上保安庁の事務所及び関係者に通報すること。
□ 油の排出を軽減するため、直ちに次の措置を講じること。
排出部分の閉鎖
排出タンクの内部圧力の軽減
関係配管の閉鎖及び遮断
□ バラスト調整等により、直ちに油の排出防止に最適なコンディションとすること。
□ 引き続く油の排出を防止するため、直ちにタンク内の残油を他のタンクに移送すること。
□ 引き続く油の排出を防止するため、必要に応じてタンク内の残油の瀬取りを行うこと。この場合において、次に掲げる事項に留意すること。
相手船と接舷の方法及び接舷側を協議すること。
相手船と接舷に必要な気象、海象、地形等を詳細に連絡すること。
相手船とどちらのポンプを使用するか協議すること。
相手船と貨物油の種別、数量、温度及び比重並びに各タンクの積載量等について確認を行うこと。
使用するホースの必要な長さ、口径及び使用レジューサーの確認を行うこと。
作業に際しては、スタンバイ、スロー、スタート、ストップ等必要最低限の用語の統一をすること。
使用する荷役ホースは、曲がりや引っ張りに注意し、十分余裕のあるものを使用すること。
□ 自船に排出油防除資材を備え付けている場合であって、事故の状況等を考慮した上でその使用が可能であるときは、オイルフェンスを展張し、油の拡散を防止するとともに、できる限り油吸着材等により油を回収すること。
□ 排出油防除資材のうち、油処理剤又は油ゲル化剤の使用に当たっては、技術上の基準に適合したものを周囲の状況を十分に考慮して使用すること。
□ 離艦時には、燃料油タンク管系の吸引元バルブを閉鎖するほか、貨物油タンク又は燃料油タンクに連結しているエアーパイプ、ベントパイプ等の開口部を確実に閉鎖すること。この場合において、バルブが備え付けられている開口部にあっては当該バルブを閉鎖し、バルブが備え付けられていない開口部にあってはウエス等を使用して閉鎖すること。
□ 離艦時には、緊急用曳索を備えている船舶にあっては、船首尾に当該緊急用曳索をセットし、索端部を海面付近まで垂下すること。
第4章 国との調整
4.1 排出油の防除のための国との調整
4.1.1 油汚染事故の影響を緩和するために、排出油の防除に当たっては、排出油防除資材の種類及び量(自船に備え付けている場合に限る。)並びに第3章の規定に基づき排出油の防除について直ちにとった措置の内容を考慮して、国(海上保安庁の事務所をいう。以下同じ。)と自船との役割分担を明確にするとともに、連絡を密にしなければならない。
4.1.2 船長は、排出油の防除に関する自船の連絡責任者を国に通報しなければならない。
4.2 国の防除体制
排出油の防除のための国との調整に当たっては、付録「国の防除の役割及び責任に関する情報」を参照すること。
第5章 そ の 他
5.1 排出油防除資材
自船が現在備え付けている排出油防除資材は、付録「排出油防除資材の在庫目録」のとおりである。
5.2 手引書の見直し
本手引書の付録及びの連絡先リストは、原則として常に最新のものに書き換えられている必要があることから、船長は、これらのリスト中に変更すべき事項を知り得た場合は、この旨を上級部隊に通知すること。
5.3 教 育
船長は、油汚染事故に際して第3章の排出の制御に係る機器等の取扱いが確実に行われるために、乗組員に対し教育を適宜実施すること。
付録 海上保安庁連絡先リスト
付録 関係者連絡先リスト
1 自船関係者の連絡先
2 その他の関係者の連絡先
付録 国の防除の役割及び責任に関する情報
付録 排出油防除資材の在庫目録
付録 フローチャート
別紙第5
付録 関係図面
1 船舶主要目表
2 一般配置図
3 タンク容積図
4 船体中央横断面図
5 ビルジ管、バラスト管及び燃料油管系統図
6 貨物油管系統図
7 水バラスト等排出醸置系統図
油濁防止緊急措置手引書
(すべての艦船用)
所 属
艦種番号
艦 船 名
定 係 港
序 文
1 本手引書は、1978年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書によって修正された1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約(以下「MARPOL73/78条約」という。)附属書第26規則及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)第7条の2の規定に従って作成されている。
2 本手引書の目的は、油汚染事故(船舶から油の不適正な排出があり、又は排出のおそれがある場合をいう。以下同じ。)に対処するための指針を与えることにある。
3 本手引書には、MARPOL73/78条約附属書第26規則、国際海事機関(IMO)において作成された「油濁防止緊急措置手引書の作成のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)並びに海洋汚染防止法及び関係省令により要求されているすべての情報及び行動の指示が記載されている。付録には、他の参考資料とともに本手引書の中で参照すべき連絡先の名称、電話、番号、テレックス番号等が記載されている。
4 付録は、艦船の長により最新の状態に維持されなければならない。
目 次
第1章 総 則
第2章 通報手続
2.1 通報を要するとき
2.2 通報事項
2.3 通報先
第3章 排出の制御
3.1 船舶の運航に伴う排出
3.2 事故に起因する排出
第4章 国及び地方当局との調整
4.1 排出油の防除のための国及び地方当局との調整
4.2 沿岸国の防除体制
第5章 その他
5.1 排出油防除資材
5.2 手引書の見直し
5.3 教育及び訓練
5.4 記録の保管
付 録
沿岸国連絡先リスト
海上保安庁連絡先リスト
湾岸当局連絡先リスト
関係者連絡先リスト
V 国及び地方当局の防除の役割及び責任に関する情報
排出油防除資材の在庫目録
フローチャート
関係図面
第1章 総 則
1.1 本手引書の目的は、油汚染事故に伴う油の排出を削減し、又は制御するために艦船内にある者が直ちにとるべき措置に関する事項について、艦船の乗組員に指針を与えることにある。
1.2 本手引書は、燃料油の補給等艦船の運航に伴う油の排出のみならず、海難等の事故に起因する大規模な油の排出に対処するための指針も示している。
1.3 油汚染事故があった場合において、油の排出を削減してその影響を緩和するためには、関係機関への通報、船上での排出の制御、外部機関との調整が重要であり、本手引書の指針に従いこれらを適正に実施する必要がある。
1.4 本手引書がその目的を達成するためには、本手引書が艦船の乗組員及び陸上の船舶の管理に携わる者により理解されていることが必要である。
第2章 通報手続
2.1 通報を要するとき
MARPOL73/78条約第8条及び議定書並びに海洋汚染防止法及び関係省令の規定に従い、油汚染事故があった場合は、艦船の長(艦船の長以外の者が代わってその職務を行うべきときは、その者。以下同じ。)は、直ちに最寄りの海上保安機関(日本国の沿岸にあっては、海上保安庁の事務所をいう。以下同じ。)に通報しなければならない。
2.1.1 油の排出があった場合の通報:
次に掲げる油の不適正な排出について、直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
・1 船体又は設備の損傷等による油の排出
・2 船舶の安全の確保又は海上での人命救助の目的でなされた油の排出
・3 船舶の運航中におけるMARPOL73/78条約に定められた油分の濃度を越える油の排出
2.1.2 油の排出のおそれがある場合の通報:
次に掲げる事項を考慮して、船舶の衝突、乗揚げ、機関の損傷その他の海難により油の不適正な排出のおそれがあると判断される場合は、この旨を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
・1 船体、機関又は設備の損傷、故障又は破損の程度
・2 船舶の位置及び陸岸又は他の航行上の危険との接近の度合い
・3 気象、潮汐、潮流及び海象
・4 船舶交通の幅輳度
2.1.3 一般的に次に掲げる場合は、通報の対象となる油の不適正な排出のおそれがある場合である。
・1 船舶の衝突、乗揚げ、火災、爆発、構造的破壊、浸水、貨物移動等により船舶の安全に影響を与える損傷、故障又は破損が生じたとき。
・2 操舵装置、推進器、発電システム、主要な航海機器等の故障又は破損により航海の安全が損なわれたとき。
2.2 通報事項
2.2.1 通報事項は、表1に示す初期通報標準様式によること。また、補足通報又は追加通報についても可能な限り同様式によることとする。
2.2.2 通報は、次に掲げる手続により実施すること。
・1 第1報は、直ちに行うものとし、判明していない事項については逐次通報すること。
・2 補足通報は、最初の通報を必要に応じて補足するものであり、事態の進展に関する情報を提供すること。
・3 追加情報は、沿岸国からの追加情報の要請により行うこととし、できる限り要請に応ずること。
2.3 通 報 先
2.3.1 海上保安機関:
・1 外国の沿岸において、海上保安機関に通報する場合は、付録「沿岸国連絡先リスト」による。なお、当該リストの連絡先が不在の場合又は何らかの理由により直接の手段による通報が極度に遅れた場合は、最寄りの海上保安機関に通報することに加えて、艦船の長は、最寄りの沿岸無線局、船位通報局又は救助調整センター等に通報するように努めること。
・2 日本国の沿岸において、海上保安庁の事務所に通報する場合は、付録「海上保安庁連絡先リスト」による。
2.3.2 港湾当局:
油汚染事故が定期的に入港する沿岸国の港で発生した場合は、艦船の長は、必要に応じて当該港湾当局に事故の概要を通報することが望ましい。この場合の通報先は、付録「港湾当局連絡先リスト」による。なお、当該リストを事前に準備できない場合は、艦船の長は、入港までに当該港の通報手続に関する情報の入手に努めること。
2.3.3 自艦関係者:
油汚染事故が発生した場合は、艦船の長は、関係部隊に事故の概要を通報すること。この場合の通報先は、付録「関係者連絡先リスト」による。
表1 初期通報標準様式
第3章 排出の制御
本章に規定する油の排出を制御するために直ちにとるべき措置のうち、関係するポンプ及びバルブの操作に当たっては、付録として添付している「管系統図」を参考にして、誤操作の防止に努めること。
3.1 船舶の運航に伴う排出
3.1.1 一般
□ 燃料油の移送(艦内における油の移動をいう。以下同じ。)作業又は補給作業中に漏油が発生した場合は、できる限り早い方法で当該作業を中止すること。
□ 措置を講じる際は、できる限りガス濃度等の検知を行い、必要に応じて呼吸具等を使用すること。
□ 漏油の発生源及び原因を確定するとともに、油吸着材、ソーダスト(おがくず)、ウエス等の油清掃資材により、漏油の艦外への排出を最小限に抑えるための措置を直ちにとること。
□ 漏油の原因が解明され、その原因が排除されるまで、移送作業又は補給作業は再開しないこと。
□ 除去した油及び使用した油清掃資材は、清掃会社、油防除処理会社等に引き渡すなど適正に処分すること。
3.1.2 基準を超えたビルジ等の排出
□ 油水分離器の整備不良、老朽化等により油分の濃度が基準を超えたビルジ等の排出が認められた場合は、直ちに油水分離器用ポンプの電源を切り、舷外排出バルブを閉めること。
□ ビルジ用濃度監視装置を設置している船舶であって、当該ビルジ用濃度監視装置の故障により油分の濃度が基準を超えたビルジ等の排出が認められた場合は、直ちに油水分離器用ポンプ及びビルジ用濃度監視装置の電源を切るとともに、舷外排出バルブを手動により閉めること。
3.1.3 パイピングの漏洩
□ パイプラインから漏洩がある場合は、直ちに当該パイプライン内の油の圧力を低下させ、グラビティにより、又はポンプを使用してパイプライン内の油をタンクに移送すること。
3.1.4 タンクのオーバーフロー
□ 燃料油タンクからオーバーフローが生じた場合は、直ちに当該タンクに移送又は補給を行っているポンプを停止し、関連バルブを閉鎖すること。
□ オーバーフローしたタンクの油を直ちに余積のあるタンクヘ移送すること。
3.1.5 船体からの漏洩
□ 船体からの漏洩に対する措置に当たっては、船体の応力及び復原性について十分に配慮すること。
□ 喫水線以上の部位からの漏洩の場合は、直ちにタンク内の燃料油の移送を行い、当該タンク内の液位を海面より十分に下げること。
□ 艦内での油の移送が困難な場合は、瀬取り又は陸上タンクヘの油の移替えを検討すること。
□ 上記措置を講じても油の漏洩が続く場合は、ダイバー等による調査を行い原因を解明すること。
3.1.6 排出した油への対応
□ 艦船の長は、油汚染事故が発生した場合は、乗組員に対し油防除部署を発令すること。
□ 艦船の長は、油汚染事故が発生した場合は、第2章の規定に従い、直ちに最寄りの海上保安機関、港湾当局及び関係者に通報すること。
□ 必要に応じて油防除処理会社に作業を要請すること。
□ 自艦に排出油防除資材を備え付けている場合であって、事故の状況等を考慮した上でその使用が可能であるときは、できる限り油吸着材等により油を回収すること。
□ 排出油防除資材のうち、油処理剤又は油ゲル化剤の使用に当たっては、技術上の基準に適合したものを周囲の状況を十分に考慮して使用すること。また、油処理剤又は油ゲル化剤を外国の沿岸で使用する場合は、当該沿岸国の承認を事前に受けること。
3.2 事故に起因する排出
3.2.1 艦船の長が優先してとるべき措置
□ 人命の安全の確保を最優先し、次の事項を考慮すること。
死傷者の有無の確認
救助要請の要否の判断
総員離艦の決断
□ 3.2.2から3.2.7までの措置に当たっては、船体の応力及び損傷時の復原性について十分に配慮すること。
□ 目視検査及びタンク等の測深により損傷に関する詳細な情報を入手すること。
□ 周囲の状況から判断して、当該海域に留まることが事態を悪化させると予想される場合は、安全な場所へ艦船をシフトすること。
□ 必要に応じて船体安全確保のための積荷等のシフトも考慮すること。
□ 油の排出を伴う事故の場合は、火災と爆発を防ぐため、できる限り次の措置を講じること。
排出油の風上への船位の移動
空気取入口の閉鎖
引火性ガスの居住区域及び機関区域への侵入の防止
引火源の排除
居住区域及び機関区域の定期的なガス検知
消火装置及び消火器の準備
喫煙その他の火気管理の徹底
□ ガスの滞留するおそれのある場所での作業は、ガスフリー及びガス検知を行うなど有害ガスの人体への影響を十分配慮して行うこと。
3.2.2 座礁への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 座礁の状態、船底の状態及び損傷箇所の確認を行い、離礁の可能性及びその適否を確認すること。
□ 自力離礁が困難と判断される場合は、直ちにサルベージ会社に離礁の要請を行うこと。
□ 座礁により浸水等が発生した場合は、浸水を最小限に食い止めるため、開口部の閉鎖等による防水処置を行うこと。
3.2.3 火災・爆発への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 有効かつ適切な初期消火活動を行うとともに、救助艇の状態など人命救助のための離艦準備と離艦命令の時期を逸しないよう心掛けること。
□ 火元付近にあるペイント缶、ウエス、ロープ類等の可燃性備品又は爆発性の物品を直ちに他の場所に移動すること。
□ 風による火勢の増大の可能性がある場合は、停止するか、風下に向かって操艦するなど火災の拡大を防止すること。
□ 出入口扉、舷窓、天窓、通風筒等の開口部を閉鎖し、通風装置を停止すること。また、必要に応じて周辺部分を冷却すること。
□ 火煙が消火活動の妨げにならないよう操艦すること。
□ 火災の場所に通じる電源は、非常時に使用される電源を除き、すべて遮断すること。
3.2.4 衝突への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し該当する部署を発令すること。
□ 自艦の損傷箇所及び浸水の有無を調査し、その程度に応じて応急措置を行い、損害の拡大を防止すること。
□ 損傷調査の結果、浸水がある場合は、その場所及び程度に応じて防水扉の閉鎖、木栓、防水マット、セメントボックス、隔壁の補強、排水ポンプの使用等適切な防排水措置をとること。
□ 防排水処置を施しても浸水がひどく、沈没の危険性がある場合は、適当な場所へ任意座洲することを考慮すること。
3.2.5 船体損傷への対応
□ 喫水線以上の部位からの油の排出が予想される場合は、直ちにタンク内の燃料油の移送を行い、当該タンク内の液位を海面より十分に下げること。
□ 艦船内での油の移送が困難な場合は、瀬取り又は陸上タンクヘの油の移替えを検討すること。
3.2.6 極度の傾斜への対応
□ 自艦の損傷箇所及び浸水の有無を調査し、その程度に応じて応急措置を行い、損害の拡大を防止すること。
□ 損傷調査の結果、浸水がある場合は、その場所及び程度に応じて防水扉の閉鎖、木栓、防水マット、セメントボックス、隔壁の補強、排水ポンプの使用等適切な防排水措置をとること。
□ 防排水処置を施しても浸水がひどく、沈没の危険性がある場合は、適当な場所へ任意座洲することを考慮すること。
3.2.7 油の排出への対応
□ 艦船の長は、乗組員に対し油防除部署を発令すること。
□ 艦船の長は、油汚染事故が発生した場合は、第2章の規定に従い、直ちに最寄りの海上保安機関、港湾当局及び関係者に通報すること。
□ 油の排出を軽減するため、直ちに次の措置を講じること。
排出部分の閉鎖
関係配管の閉鎖及び遮断
□ バラスト調整等により、直ちに油の排出防止に最適なコンディションとすること。
□ 引き続く油の排出を防止するため、直ちにタンク内の残油を他のタンクに移送すること。
□ 引き続く油の排出を防止するため、必要に応じてタンク内の残油の瀬取りを行うこと。この場合において、瀬取りを行うに当たって沿岸国と調整する必要がある場合は、事前に調整を行うこと。
□ 艦船内に排出油防除資材を備え付けている場合であって、事故の状況等を考慮した上でその使用が可能であるときは、できる限り油吸着材等により油を回収すること。
□ 排出油防除資材のうち、油処理剤又は油ゲル化剤の使用に当たっては、技術上の基準に適合したものを周囲の状況を十分に考慮して使用すること。また、油処理剤又は油ゲル化剤を外国の沿岸で使用する場合は、当該沿岸国の承認を事前に受けること。
□ 離艦時には、燃料油タンク管系の吸引元バルブを閉鎖するほか、燃料油タンクに連結しているエアーパイプの開口部をウエス等を使用して確実に閉鎖すること。
第4章 国及び地方当局との調整
4.1 排出油の防除のための国及び地方当局との調整
4.1.1 油汚染事故の影響を緩和するために、排出油の防除に当たっては、排出油防除資材の種類及び量(艦船内に備え付けている場合に限る。)並びに第3章の規定に基づき排出油の防除について直ちにとった措置の内容を考慮して、国(海上保安機関をいう。以下同じ。)及び当局(沿岸国の場合に限るとともに、その港湾当局を含む。以下同じ。)と自艦との役割分担を明確にするとともに、連絡を密にしなければならない。
4.1.2 艦船の長は、排出油の防除に関する自艦の連絡責任者を国及び地方当局に通報しなければならない。
4.2 沿岸国の防除体制
排出油の防除のための国及び地方当局との調整に当たっては、付録V「国及び地方当局の防除の役割及び責任に関する情報」を参照すること。
第5章 そ の 他
5.1 排出油防除資材
自艦が現在備え付けている排出油防除資材は、付録I「排出油防除資材の在庫目録」のとおりである。
5.2 手引書の見直し
本手引書の付録からまでの連絡先リストは、原則として常に最新のものに書き換えられている必要があることから、艦船の長は、これらのリスト中に変更すべき事項を知り得た場合は、この旨を上級部隊に通知すること。
5.3 教育及び訓練
5.3.1 艦船の長は、油汚染事故に際して第3章の排出の制御に係る機器等の取扱いが確実に行われるために、乗組員に対し教育を適宜実施すること。
5.3.2 艦船の長は、油汚染事故に際して本手引書が機能するように、次のとおり訓練を実施すること。
・1 訓練は、抜打ち又は事前周知のいずれかの方法で実施すること。
・2 艦内通信訓練は、第3章の排出の制御に係る部署配置について毎月1回実施すること。
・3 本手引書の全部を網羅した訓練は、自艦関係者を含めるものとし、少なくとも3年に1回実施すること。
5.4 記録の保管
5.4.1 艦船の長は、油汚染事故に際してとった排出油の防除の記録を3年間保管すること。
5.4.2 艦船の長は、教育及び訓練の記録を3年間保管すること。
付録 沿岸国連絡先リスト
付録 海上保安庁連絡先リスト
付録 港湾当局連絡先リスト
付録 関係者連絡先リスト
1 自艦関係者の連絡先
2 その他の関係者の連絡先
付録V 国及び地方当局の防除の役割及び責任に関する情報
付録 排出油防除資材の在庫目録
付録 フローチャート
付録 関係図面
1 船舶主要目表
2 一般配置図
3 船体中央横断面図
4 ビルジ管、バラスト管及び燃料油管系統図
別紙第6
別紙第7
別紙様式第1
(表紙)
(1ページ)
(2ページ)
(3ページ)
別紙様式第2
(表紙)
(1ページ)
別表
総 ト ン 数 換 算 表
全 長
総 ト ン 数
14メートル未満
20トン未満
14メートル以上
18メートル未満
20トン以上
50トン未満
18メートル以上
25メートル未満
50トン以上
100トン未満
25メートル以上
32メートル未満
100トン以上
150トン未満
32メートル以上
36メートル未満
150トン以上
200トン未満
36メートル以上
40メートル未満
200トン以上
250トン未満
40メートル以上
44メートル未満
250トン以上
300トン未満
44メートル以上
55メートル未満
300トン以上
500トン未満
55メートル以上
65メートル未満
500トン以上
800トン未満
65メートル以上
75メートル未満
800トン以上
1,000トン未満
75メートル以上
90メートル未満
1,000トン以上
2,000トン未満
90メートル以上
100メートル未満
2,000トン以上
3,000トン未満
100メートル以上
130メートル未満
3,000トン以上
5,000トン未満
130メートル以上
170メートル未満
5,000トン以上
10,000トン未満
170メートル以上
190メートル未満
10,000トン以上
15,000トン未満
190メートル以上
210メートル未満
15,000トン以上
20,000トン未満
210メートル以上
20,000トン以上
別紙様式第3
(表紙)
規程実施担当者
記載要領
1 全 般
(1) 記載責任者
本記録簿の記載責任者は、規程実施担当者とする。
(2) 記載期間
本記録簿は、外国の港に向けて、国内の港等を最終出港した時から帰国するまでの間、記載するものとする。ただし、帰国後、最初に行う廃棄物の処分については、これを記載するものとする。
(3) 記載事項
記載事項は、次のとおりとする。
ア 廃棄物の海域における排出
(a) 日時及び艦位(緯度・経度、海域名)
(b) 廃棄物の種類及び量
イ 廃棄物の受入施設への陸揚げ又は他の船舶への移載
(a) 日時
(b) 施設の名称及び位置(施設名・業者名、港名)
(c) 船舶の名称及び位置(船名、港名又は海域名)
(d) 廃棄物の種類及び量
ウ 廃棄物の焼却
(a) 開始日時及び艦位(緯度・経度又は海域名)
(b) 終了日時及び艦位(緯度・経度又は海域名)
(c) 廃棄物の種類及び量
エ 事故その他の理由による例外的な廃棄物の排出
(a) 日時及び艦位(緯度・経度、海域名)
(b) 廃棄物の種類及び量
(c) 状況及び理由
(4) 証拠書類の添付
国際航海の期間中、廃棄物を陸上の業者等に引き渡し、受入施設等への陸揚げ処分を依頼した場合には、当該業者等よりその事実を証する書類を入手し、記録簿に添付しなければならない。
なお、証拠書類は、次の事項が記載してある書類であって、受入作業又は移載作業を行った作業担当責任者の署名又は捺印があるものでなければならない。
ア 日 時
イ 施設の名称及び位置(施設名・業者名、港名)
ウ 船舶の名称及び位置(船名、港名又は海域名)
エ 廃棄物の種類及び量
(5) 点 検
本記録簿は、ページの記載が完了した時点で艦船の長が日付を付して署名する。
(6) 保 管
本記録簿は、最後に記載した日から2年間艦船内に保管しなければならない。
(7) そ の 他
ア 記録簿に記載する文字は、漢字又は仮名(外国の地名、人名等、外国文字の使用が適当な場合は、その国字)及びアラビア数字を用いる。
イ 記録簿の記載は、青色又は黒色のペン書き(ボールペンを含む。)により記載し、誤って記載した場合には、記載責任者が当該字句を一線で抹消し、訂正印を押印した上、正しい記載を追加する。
2 記載欄の記載
(1) 表 紙
所属は、所属する部隊名を、番号及び艦船名は、艦船国籍証書に記載してある番号及び名称を記載する。
(2) 日 時
日時は、次の例により記載する。
なお、終了時刻を記載すべき事項については、( )を付し、同一欄に終了時刻を併記する。
9月6日 午前8時15分 9/6 0815
7月2日 午後8時15分 7/2 2015(2300)
(3) 艦 位
艦位は、次の例により記載する。
北緯(南緯)30度45分 30−45N(S)
東経(西経)80度20分 8−20E(W)
○○港 ○○バース
○○湾等
(4) 海洋に排出される廃棄物の概量
分類に従い、該当欄に種類及び量を次の例により記載する。
紙くず(0.5)
木くず(2)
(5) 受入施設への排出又は他の船舶に移載する廃棄物の概量
分類に従い、該当欄に種類及び量を次の例により記載する。
プラスチック(3)
瓶(1)
(6) 焼却される廃棄物の概量
焼却した廃棄物の種類及び量を次の例により記載す凱
木くず(2)
(7) 証明/署名
記載責任者が署名する。
(8) 艦船の長の署名及び日付
日付は、次の例により記載する。
3月31日 3/31
3 そ の 他
(1) 作業が同一港内で同一の廃棄物について、反復かつ継続して行われる場合にあっては、当該一連の作業について、一日を最大限として一括して記載することができる。
(2) 食物くずを焼却した焼却灰については、食物くずとして種類5の欄に記載する。
(3) 事故その他の理由による例外的な廃棄物の排出については、必要事項を記載(様式適宜)の上、本記録簿に添付する。
別冊第1
油濁防止緊急措置手引書
(油保管施設等用)
所 属
所 在 地
油保管施設等名
序 文
1 本手引書は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)第40条の2(油保管施設等の油濁防止緊急措置手引書)の規定に従って作成されている。
2 本手引書の目的は、油汚染事故(油保管施設等から油の不適正な排出があり、又は排出のおそれがある場合をいう。以下同じ。)に対処するための指針を与えることにある。
3 本手引書には、海洋汚染防止法及び関係省令により要求されているすべての情報及ぴ行動の指示が記載されている。付録には、他の参考資料とともに本手引書の中で参照すべき連絡先の名称、電話番号等が記載されている。
4 付録は、油保管施設等の管理者(以下「管理者」という。)により、最新の状態に維持されなければならない。
第1章 総 則
1・1 本手引書の目的は、油汚染事故に伴う油の排出を削減し、又は制御するために油保管施設等に勤務する者等が、直ちに採るべき措置に関する事項について、指針を与えることにある。
1・2 本手引書は、油保管施設等の運用に伴う油の排出のみならず、油保管施設等を利用する船舶からの油汚染事故に起因する油の排出に対処するための指針も示している。
1・3 油汚染事故があった場合において、油の排出を削減してその影響を緩和するためには、関係機関への通報、油保管施設等での排出の制御、外部機関との調整が重要であり、本手引書の指針に従いこれらを適正に実施する必要がある。
1・4 本手引書がその目的を達成するためには、本手引書が油保管施設等の管理に携わる者により理解され、緊急時において適正に使用されることが必要である。
第2章 通報手続
2・1 通報を要するとき
2・1・1 油保管施設等からの油汚染事故を発見した者は、管理者に通報しなければならない。
2・1・2 海洋汚染防止法及び関係省令の規定に従い、油汚染事故があった場合は、管理者(管理者以外の者が代わってその職務を行うべきときは、その者。以下同じ。)は、直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
2・1・3 油の排出があった場合の通報
次に掲げる油の不適正な排出について、直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
・1 油保管施設等の設備の損壊等による油の排出
・2 油保管施設等を利用する船舶の損壊等による油の排出
2・1・4 油の排出のおそれがある場合の通報
次に掲げる不適正な排出について、油保管施設等の損傷その他の事故により油の不適正な排出のおそれがあると判断される場合は、この旨を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
・1 油保管施設等の設備又は船舶(搭載された機器及び設備を含む。)の損壊、故障及び火災の程度
・2 油保管施設等外の異常な現象が、油保管施設等に及ぼす影響の程度
・3 気象及び海象の状況
2・1・5 一般的に次に掲げる場合は、通報の対象となる油の不適正な排出のおそれがある場合である。
・1 油槽、パイプライン、バルブ等の破損・損傷、油槽のオーバーフローが生じたとき。
・2 油槽、パイプライン、油保管施設等又はその近傍において火災が発生したとき。
・3 近隣施設の火災、爆発等の異常な現象が、油保管施設等の安全な油の保管に影響を及ぼす可能性があるとき。
2・1・6 油保管施設等以外における油汚染事故を発見した者は、最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
2・2 通報事項
2・2・1 通報事項は、付紙様式「油保管施設等事故通報」による。また、追加通報についても可能な限り同様式による。
2・2・2 第1報は、直ちに行うものとし、判明していない事項については、判明次第、随時通報する。
2・3 通 報 先
2・3・1 海上保安機関
海上保安機関に通報する場合は、付録「海上保安庁連絡先リスト」による。
2・3・2 油汚染事故を発見した場合の通報、連絡の系統は、付録「部内連絡系統図」及び付録「関係者連絡リスト」による。
第3章 油汚染事故対応態勢
3・1 防災組織の編成
3・1・1 管理者は、油汚染事故が発生した場合に備え、定められた防災組織を編成する。
3・1・2 夜間・休日において、油汚染事故が発生した場合は、定められた非常呼集の方法により、隊員を招集する。
3・2 排出油防除資材等
3・2・1 油保管施設等が保有する排出油防除資材等の種類及び量並びに保管場所は、付録「排出油防除資材等の在庫目録」のとおりである。
3・2・2 管理者は、排出油防除資材等の管理責任者を選任する。
排出油防除資材等の管理責任者は、油汚染事故が発生した場合 に、直ちに防除措置を講ずることができるよう、排出油防除資材等の定期点検を実施するとともに、必要に応じた整備を実施する。
第4章 排出の制御
4・1 油保管施設等の運用に伴う排出
管理者は排出油防除のため、人命の安全を最優先の上、直ちに次の措置を講ずる。
4・1・1 油保管施設(タンク)
・1 直ちに、緊急停止装置を作動させるなどして作業を停止し、排出油の発生源及び原因並びに排出油の状況を調査し、その把握に努める。
・2 大量の石油ガスの発生を伴う事故の場合は、火災と爆発を防ぐため、火気管理を一層厳重にするとともに、頻繁にガス検知を行い、火災又は爆発の発生を防止する。
・3 防油堤外への排出を防止するため、排水弁の閉鎖、防油堤の異常の有無等を確認する。
・4 引き続く油の排出を防止するために、損壊箇所の応急修理(作業内容については火災の発生の可能性に十分留意する。)、残油のほかの油槽への移送等を実施する。
・5 海上への排出を防ぐため、土のう等による築堤、排水口の閉鎖等を行い、陸上部の排出油は、できる限り油吸着材、油ゲル化剤等を使用して回収する。
・6 事故発生と同時に排出油防除資材等を搬出する態勢をとり、必要に応じ当該資材等を投入し、海上への排出に備え、オイルフェンスの展張及び海上警戒を実施する。
・7 油が海上に流れ出た場合、排出油の拡散を防止するために、必要に応じてオイルフェンスの二次、三次展張を行う。
・8 油防除作業に当たっては、できる限り油吸着材、油回収装置等を使用して海上に排出された油を回収し、警戒船により汚染海面に他船が接近するのを防止するとともに、必要に応じて作業員又は作業船を動員する。
4・1・2 係留施設(船舶、荷役施設のいずれかの排出かを問わない。)
・1 直ちに、緊急停止装置を作動させるなどして作業を停止し、船舶及び現場責任者等との連絡を密にし、排出油の発生源及び原因並びに排出油の状態を調査し、その把握に努める。
・2 大量の石油ガスの発生を伴う事故の場合は、火災と爆発を防ぐため、火気管理を一層厳重にするとともに、頻繁にガス検知を行い火災又は爆発の発生を防止する。
・3 直ちに、オイルフェンスを展張し、拡散防止措置をとる(事前にオイルフェンスを展張している場合は、・5の措置を講ずる。)。
・4 引き続く油の排出を防止するために、損壊箇所の修理(作業内容については、火災の発生の可能性に十分留意する。)、残油のほかの油槽(船舶、陸上施設を問わない。)への移送等を実施する。
・5 事故発生と同時に、排出油防除資材等を搬出する態勢をとり、必要に応じた当該資材等を運搬・投入するとともに、オイルフェンスの二次、三次展張及び海上警戒を実施する。
・6 ローディングアームのクイックカップラー、係留索のクイックリリースフックが設備されていることを確認し、船舶の緊急離桟に備える。
なお、クイックカップラーは必要と判断した時点で操作し、クイックリリースフックはえい船が到着し、船体保持が確保された後に操作する(この場合、展張されているオイルフェンスの存在に留意する。)。
・7 油防除作業に当たっては、できる限り油吸着材、油回収装置等を使用して海上に排出された油を回収し、警戒船より汚染海面に他船が接近するのを防止するとともに、必要に応じて作業員又は作業船を動員する。
4・1・3 防除措置実施上の留意事項
管理者は、排出油の防除措置を実施するに当たっては、次の次項を遵守し、適切な措置を講じる。
・1 電話、無線機等を利用し、防災組織内の連絡態勢を密にする。
・2 通信の運用に当たっては、簡潔、明りょうかっ適正に運用するよう、関係者に周知する。
・3 火災が発生している場合においては、延焼の防止措置、消火作業等に配慮し、総合的な対応措置を実施する。
・4 排出油量の規模等から、近隣油保管施設等、海上災害防止センター等の応援を得なければ、十分な排出油の防除措置ができないと判断したときは、これらに、通報の上、協力要請等を行う。
・5 関係するポンプ及びバルブの操作に当たっては、誤操作の防止に努める。
・6 具体的な防除処置の決定に際しては、油汚染事故の規模及び態様を分析し、気象・海象の状況を考慮して、事故の影響を評価し、被害の発生が最小限となるよう配慮する。
・7 排出油防除資材等のうち、油処理剤又は油ゲル化剤の使用に当たっては、技術上の基準に適合したものを、周囲の状況を十分に考慮して使用する。
・8 回収した油、塵芥(じんかい)等の運搬、陸揚げ及び処分について、処理業者応援協力機関等と連絡を密にし、適確に手配の上、処理する。
・9 油汚染事故の再発を防ぐため、事故の原因が解明され、その原因が完全に排除されるまで、事故にかかわる施設に関連する作業を再開しない。
第5章 関係機関との調整
5・1 排出油の防除のための関係機関との調整
5・1・1 管理者は、油保管施設等において採るべき措置について、海上保安庁との連絡・調整に当たる責任者を定め、最寄りの海上保安機関に通知する。
5・1・2 連絡・調整責任者は、油汚染事故の状況、防除措置の状況等について、最寄りの海上保安機関と調整を行い、防除措置について必要な調整に努める。
5・1・3 管理者は、海上保安庁の職員が現場に到着したときは、速やかに汚染の状況及びこれまでに講じた措置並びに留意事項について報告し、その指示に従うとともに、必要に応じ、海上保安庁が指示する場所に隊員を派遣し、連絡・調整態勢の確保を図る。
第6章 そ の 他
6・1 教育及び訓練
6・1・1 管理者は、油汚染事故に際して第4章の排出の制御に係る機器等の取り扱いが確実に行われるために、関係職員に対し教育を実施する。
6・1・2 管理者は、油汚染事故に際して本手引書が機能するように、次のとおり訓練を実施する。
1 総合防災訓練
2 排出油防除資材等搬出訓練
3 排出油防除資材等取扱訓練
4 オイルフェンス展張訓練
5 消防訓練
6 緊急呼集訓練
6・1・3 管理者は、関係職員を部外教育機関における研修、訓練に積極的に参加させ、排出油防除等の技術を修得させる。
6・2 記録の保管
6・2・1 管理者は、排出防除活動に関する教育訓練、資材等の整備、排出油防除活動の実施等の記録を作成し、3年間保管する。
6・3 関係図面
管理者は、排出油の防除活動に有用な関係図面等として、次のものを作成し、添付する。
1 防災組織図
2 非常呼集図
3 排出油防除資材等配置図
4 諸管系統図
5 漁業施設等の配置状況図
6 油保管施設等周辺自然環境状況図
なお、5及び6には、排出した油の拡散漂流予測、予想される影響等を含ませるものとする。
6・4 手引書の見直し
本手引書に添付している資料は、常に最新のものに書き換えられている必要があることから、関係者は、これらのリスト中に変更すべき事項を知り得た場合は、この旨を管理者に通知する。
付紙様式
油保管施設等事故通報
1 施設の名称及び所在地
2 施設の設置者の氏名又は名称及び住所
3 事故に船舶が関連している場合には、当該船舶の名称、大
きさ、用途等
4 排出のあった日時及び場所又は異常な現象があった日時及
び場所
5 排出された油の種類、量及び広がりの状況
6 事故の概要又は異常な現象の概要
7 発生原因
8 施設において管理されていた、又は管理されている油の種
類及び量
9 事故に船舶が関連している場合には、当該船舶に積載され
ていた、又は積載されている油の種類及び量
10 気象及び海象の状況等
風向、風速、天候、海面の状態、その他
11 死者又は負傷者の有無
12 施設の損壊により油が排出された場合、当該損壊箇所及び
その損壊の程度
13 排出された油による海洋汚染の防止のために講じた措置又
は油の排出が生じた場合の汚染の防止のために講じようと
する措置
14 施設の保有する排出油防除のための船舶、器材及び消耗品
の種類及び量並びに人的勢力
15 外部からの援助の必要性
16 その他参考となる事項
付録 海上保安庁連絡先リスト
連 絡 先
電話番号
記 事
付録 部内連絡系統図
管理者等の名称
所属・配置
階 級
氏 名
管理者
連絡・調整責任者
排出油防除資材等
管理責任者
(系統図)
付録 関係者連絡先リスト
連絡先
住 所
連絡方法
付録 排出油防除資材等の在庫目録
別冊第2
船舶発生廃棄物汚染防止規程
所 属
番 号
艦 船 名
改訂記録
番号
改訂日
改訂内容
改訂者の官職、氏名
艦船の長等承認印
新規作成
※改訂者は、規程実施担当者とする。
規程実施担当者等指定表
区 分
官 職
氏 名
選任年月日
艦船の長等承認印
解任年月日
艦船の長等承認印
実施担当者
補 助 者
目次
第1章 総 則
1・1 目的
1・2 定義
1・3 艦船の長等の責務
1・4 規定実施担当者の責務
1・5 乗員等の責務
第2章 規定実施担当者等
2・1 規定実施担当者及び補助者の指定
2・2 実施担当者の職務
第3章 廃棄物の収集等
3・1 発生廃棄物の種類
3・2 廃棄物の収集及び分別
第4章 廃棄物の処理等
4・1 廃棄物の処理
4・2 植物性廃棄物の破砕若しくは切断場所の指定
4・3 廃棄物処理設備等
4・4 設備等の取扱い、点検及び整備
第5章 廃棄物の保管等
5・1 廃棄物の保管
5・2 廃棄物の保管場所の指定
第6章 廃棄物の処分等
6・1 廃棄物の処分
6・2 廃棄物の海洋排出処分場所の指定
6・3 廃棄物の海洋排出処分時の連絡態勢の確保
6・4 廃棄物の陸揚げ処分時の連絡態勢の確保
第7章 廃棄物の移動等
7・1 廃棄物の移動
7・2 廃棄物の落下防止策の確保
第8章 乗員等に対する周知活動
8・1 艦上教育
8・2 廃棄物の排出に関して遵守すべき事項等の掲示
第9章 国際航海に従事する場合の留意事項
9・1 船舶発生廃棄物記録簿の記載
9・2 記録責任者
9・3 記載期間
9・4 記載事項
9・5 証拠書類の受領
9・6 記録簿の点検
9・7 記録簿の保管
第10章 適用除外及びその他の規定
10・1 適用除外
10・2 その他の規定
付 録
付録 廃棄物処理施設等
付録 廃棄物の管理場所及び保管容器等の識別マーク
第1章 総 則
1・1 目 的
本規程は、船舶発生廃棄物の取扱い等に関し、乗員等が遵守すべき事項を定め、不注意等による船舶発生廃棄物の不適正な海洋への排出を防止することを目的とする。
1・2 定 義
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号)第10条の2第1項及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令(昭和46年政令第201号)第9条の4に規定する「船舶発生廃棄物」とは、次の廃棄物をいう。
1・2・1 艦船内にある乗組員その他の者の日常生活に伴い生ずるごみ又はこれに類する廃棄物(以下「日常生活廃棄物」という。)
・1 廃プラスチック類
・2 食物くず
・3 紙くず、木くず、繊維くずその他の可燃性廃棄物
・4 金属くず、ガラスくず、陶磁器くずその他の不燃性廃棄物
1・2・2 輸送、調査、観測、救難、訓練等の艦船の通常の活動に伴い生ずる廃棄物(陸上活動に伴い生じた廃棄物を艦船上で焼却処理したもの、生鮮魚及びその一部、汚水並びに水底土砂を除く。以下「通常活動廃棄物」という。)
・1 無機性廃棄物(鉱石粉、石炭粉、金属粉等)
・2 植物性、動物性のものを除く有機性廃棄物(ウエス、ダンネージ、ロープ、漁網等。以下「有機性廃棄物」という。)
・3 有機性廃棄物のうち植物性のもの。(木材輸送、穀物輸送において生ずる木皮、大豆かす等の荷粉等。以下「植物性廃棄物」という。)
・4 有機性廃棄物のうち動物性のもの。(捕鯨船等水産加工船内で生ずる魚肉の残さ等。以下「動物性廃棄物」という。)
・5 そ の 他
1・3 艦船の長等の責務
1・3・1 艦船の長(艦船の長の定めのない支援船については、当該支援船が所属する部隊又は機関にあって、支援船を運用することと定められている課又は科の長。以下「艦船の長等」という。)は、本規程の内容を乗員等に周知させるため、乗員等の中から教育等を担当する者(以下「規程実施担当者」という。)を指名し、併せて規程実施担当者の職務を指定しなければならない。
1・3・2 艦船の長等は、航行区域、廃棄物の不適正な排出の防止のための設備等に変更が生じた場合、必要に応じ、規程実施担当者に本規程の書換えを命じ、常に本規程を最新の状態に維持しなければならない。
1・4 規程実施担当者の責務
規程実施担当者は、乗員等に対する教育のほか、指定された職務を行わなければならない。
1・5 乗員等の責務
乗員等は、廃棄物の発生低減に努めるとともに、本規程で定められた内容等について、真しにこれを遵守しなければならない。
第2章 規程実施担当者等
2・1 規程実施担当者及び補助者の指定
本艦(船)の規程実施担当者(以下「実施担当者」という。)及び補助者は、次の者とし、「規程実施担当者等指定表」で指名する。
2・1・1 実施担当者
実施担当者は、 (職名)とする。
2・1・2 補 助 者
□ 補助者は、 (職名)とする。
□ 本艦(船)では、特に補助者は指定しない。
2・2 実施担当者の職務
実施担当者の職務は、次の事項とする。
□ 本規程に従った廃棄物の収集、分別、処理、保管及び処分の手順に関する事項
□ 焼却設備及び粉砕装置等、廃棄物の処理に係る設備等の取扱い、点検、整備等、適切な運用に関する事項
□ 廃棄物を海洋に排出して処分を行う場合において、艦位等についての艦橋当直員等との調整及び連絡に関する事項
□ 本規程の実施に当たっての、艦(船)内各部との調整及び連絡に関する事項
□ プラカードの掲示その他、艦(船)上にある者に対する廃棄物の処理方法等についての周知に関する事項
□ 教育の実施その他、艦(船)上にある者に対する本規程の内容についての周知活動に関する事項
□ 船舶発生廃棄物記録簿の記載及び保管に関する事項
□ 本規程の記載事項の改訂、その他維持に関する事項
□ 廃棄物の発生量の低減及び資源再利用の奨励に関する事項
□ そ の 他
第3章 廃棄物の収集等
3・1 発生廃棄物の種類
本艦(船)で発生する船舶発生廃棄物(以下単に「廃棄物」という。)の種類は、次のとおりである。
3・1・1 日常生活廃棄物
□ 廃プラスチック類
□ 食物くず
□ 可燃性廃棄物(紙くず、木くず及び繊維くず)
□ 可燃性廃棄物(その他)
□ 不燃性廃棄物(金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず)
□ 不燃性廃棄物(その他)
3・1・2 通常活動廃棄物
□ 無機性廃棄物(機械室等で生ずる金属くず等)
□ 有機性廃棄物(ウエス、ダンネージ、ロープ、漁網等)
□ 植物性廃棄物(輸送活動等において生ずる木くず等)
□ そ の 他
3・2 廃棄物の収集及び分別
発生した廃棄物は、発生場所において収集し、次の場所で種類ごとに分別しなければならない。
3・2・1 日常生活廃棄物
□ 発生場所
□ そ の 他
3・2・2 通常活動廃棄物
□ 発生場所
□ そ の 他
第4章 廃棄物の処理等
4・1 廃棄物の処理
分別した廃棄物は、次の方法により処理しなければならない。
4・1・1 日常生活廃棄物
・1 廃プラスチック類
□ 焼却処理
焼却炉等の焼却設備を用いて焼却し、完全に灰の状態とする処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
・2 食物くず
□ 焼却処理
焼却炉等の焼却設備を用いて焼却し、完全に灰の状態とする処理方法
□ 粉砕処理
粉砕装置等を用いて最大径25ミリメートル未満に粉砕する処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
・3 可燃性廃棄物(紙くず、木くず及び繊維くず)
□ 焼却処理
焼却炉等の焼却設備を用いて焼却し、完全に灰の状態とする処理方法
□ 粉砕処理
粉砕装置等を用いて最大径25ミリメートル未満に粉砕する処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
・4 可燃性廃棄物(その他)
□ 焼却処理
焼却炉等の焼却設備を用いて焼却し、完全に灰の状態とする処理方法
□ 粉砕処理
粉砕装置等を用いて最大径25ミリメートル未満に粉砕する処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
□ 該当する可燃性廃棄物は発生しない。
・5 不燃性廃棄物(金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず)
□ 粉砕処理
粉砕装置等を用いて最大径25ミリメートル未満に粉砕する処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
・6 不燃性廃棄物(その他)
□ 粉砕処理
粉砕装置等を用いて最大径25ミリメートル未満に粉砕する処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
□ 該当する不燃性廃棄物は発生しない。
4・1・2 通常活動廃棄物
・1 無機性廃棄物(機械室等で生ずる金属くず等)
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
□ 該当する無機性廃棄物は発生しない。
・2 有機性廃棄物(ウエス、ダンネージ、ロープ、漁網等)
□ 焼却処理
焼却炉等の焼却設備を用いて焼却し、完全に灰の状態とする処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
□ 該当する有機性廃棄物は発生しない。
・3 植物性廃棄物(輸送活動等において生ずる木くず等)
□ 粉砕又は切断処理
最大径15センチメートル以下に破砕若しくは切断する処理方法
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
□ 該当する植物性廃棄物は発生しない。
・4 そ の 他
□ 無 処 理
艦船上では無処理とする方法
□ その他の廃棄物は発生しない。
4・2 植物性廃棄物の破砕若しくは切断場所の指定
植物性廃棄物は、次の場所で破砕若しくは切断しなければならない。
□ 発生場所
□ そ の 他
4・3 廃棄物処理設備等
本艦(船)は、次の廃棄物処理設備等(以下「設備等」という。)を有しており、要目等については、付録のとおりである。
□ 焼却設備
□ 粉砕装置
□ 切断装置
□ 圧砕装置
□ そ の 他
□ 本船は、設備等を有さない。
4・4 設備等の取扱い、点検及び整備
4・4・1 設備等の取扱い、点検及び整備
設備等の取扱い、点検及び整備に係る責任者として、取扱責任者及び整備責任者を指定し、付録で指名する。
4・4・2 実施担当者は、設備等の取扱い、点検及び整備に関し、取扱責任者及び整備責任者を指導しなければならない。
・1 取 扱 い
設備等は、取扱責任者が取り扱うものとし、設備等を使用する場合には、事前にチェックリスト等を用い、作動状態を確認するとともに、必要に応じて、その結果を艦船の長等に報告するものとする。
・2 点検及び整備
整備担当者は、整備マニュアル等に従って設備等を定期的に開放し、内部の清掃や部品の交換等を行い、必要に応じて、その結果を艦船の長等に報告するものとする。
第5章 廃棄物の保管等
5・1 廃棄物の保管
分別、又は分別後処理した廃棄物は、陸揚げ処分又は海洋に排出処分するまでの間、指定する保管場所に、次の要領で保管しなければならない。
5・1・1 保管容器等
保管場所には、廃棄物の種類ごとに専用の保管容器等を設置すること。
5・1・2 識別マーク
保管容器等には、廃棄物の種類ごとに色分け等による識別マークを表示すること。
5・1・3 腐敗物の保管
腐敗のおそれのある廃棄物は、密閉容器等に保管するなど、衛生上必要な措置を講ずること。
5・1・4 大型廃棄物等の保管
貯蔵容器等に保管することが困難な大型廃棄物並びに再生利用が可能な廃棄物については、艦船上にある適切な倉庫等に保管し、当該倉庫等には入口付近の見やすい場所に、その保管場所である旨を表示すること。
5・2 廃棄物の保管場所の指定
本艦(船)における廃棄物の保管場所並びに識別マークは、付録のとおりとする。
第6章 廃棄物の処分等
6・1 廃棄物の処分
分別、又は分別後処理した廃棄物は、次の方法により、処分しなければならない。
6・1・1 日常生活廃棄物
・1 廃プラスチック類
□ 焼却処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3海里以遠の海域(バルティック海海域、北海海域、南極海域及び海洋施設等周辺海域を除く。以下「特定海域」という。)において海洋に排出する処分方法
□ 無処理のもの
陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・2 食物くず
□ 焼却処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)及びすべての国の領海の基線かち外側12海里を越える海域にある海洋施設等周辺海域において海洋に排出する処分方法
□ 粉砕処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)及びすべての国の領海の基線から外側12海里を越える海域にある海洋施設等周辺海域において海洋に排出する処分方法
□ 無処理のもの
すべての国の領海の基線から外側12海里以遠の海域(バルティック海海域及び北海海域を含む。)において海洋に排出する処分方法又は陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・3 可燃性廃棄物(紙くず、木くず及び繊維くず)
□ 焼却処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法
□ 粉砕処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法
□ 無処理のもの
すべての国の領海の基線から外側12海里以遠の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法又は陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・4 可燃性廃棄物(その他)
□ 焼却処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法
□ 粉砕処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法
□ 無処理のもの
すべての国の領海の基線から外側12海里以遠の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法又は陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・5 不燃性廃棄物(金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず)
□ 粉砕処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法
□ 無処理のもの
すべての国の領海の基線から外側12海里以遠の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法又は陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・6 不燃性廃棄物(その他)
□ 粉砕処理したもの
すべての国の領海の基線から外側3〜12海里の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法
□ 無処理のもの
すべての国の領海の基線から外側12海里以遠の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法又は陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
6・1・2 通常活動廃棄物
・1 無機性廃棄物(機械室等で生ずる金属くず等)
すべての国の領海の基線から外側50海里以遠の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法〔ただし、比重1.2未満の状態及び粉末のままで海洋に排出することは禁止されている。〕又は陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・2 有機性廃棄物(ウエス、ダンネージ、ロープ、漁網等)
□ 焼却処理したもの
すべての国の領海の基線から外側50海里以遠の海域(特定海域を除く。)において海洋に排出する処分方法〔ただし、比重1.2未満の状態及び粉末のままで海洋に排出することは禁止されている。〕)
□ 無処理の物
陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・3 植物性廃棄物(輸送活動等において生ずる木くず等)
□ おおむね最大径15センチメートル以下に粉砕又は切断処理したもの
すべての国の領海の基線から外側50海里以遠の海域(特定海域を除く。)において航行中に海洋に排出する処分方法
□ 無処理のもの
すべての国の領海の基線から外側50海里以遠の海域(特定海域を除く。)において航行中に海洋に排出する処分方法(おおむね最大径15センチメートルを越える木くずを除く。)又は陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
・4 そ の 他
陸上の受入施設等に陸揚げする処分方法
6・2 廃棄物の海洋排出処分場所の指定
本艦(船)における廃棄物の海洋排出処分場所は、次のとおりとする。
□ 本艦(船)では、かかる海洋への排出処分は行わない。
6・3 廃棄物の海洋排出処分時の連絡態勢の確保
廃棄物を海洋へ排出処分する場合には、あらかじめ艦橋当直員等に対して、現在の艦位が海上排出の許可海域にあることを確認しなければならない。
6・4 廃棄物の陸揚げ処分時の連絡態勢の確保
廃棄物を陸上の受入施設等に陸揚げして処分する場合には、あらかじめ陸揚げ日時、陸揚げする廃棄物の種類及び量、陸揚げ方法等について、担当部隊又は業者等と入念な打合わせを行うなど、連絡を密に取らなければならない。
第7章 廃棄物の移動等
7・1 廃棄物の移動
廃棄物は、次の手段により移動しなければならない。
7・1・1 日常生活廃棄物
□ 容器に入れ、人の手により移動
□ 容器に入れ、台車により移動
□ その他の手段
□ 本艦(船)では、かかる移動作業は発生しない。
7・1・2 通常活動廃棄物
□ 容器に入れ、人の手により移動
□ 容器に入れ、台車により移動
□ その他の手段
□ 本艦(船)では、かかる移動作業は発生しない。
7・2 廃棄物の落下防止策の確保
廃棄物の収集、分別、処理、保管、処分及び移動作業を行う際には、次の手段により、廃棄物の海上への落下を防止しなければならない。
□ 容器等に蓋の取付け
□ 容器等にネット等の取付け
□ その他の措置
第8章 乗員等に対する周知活動
8・1 艦上教育
実施担当者は、次により、艦上教育を行い本規程の内容等を乗員等に周知させなければならない。
8・1・1 実施時期等
半年に1回以上(実施時期適宜)
8・1・2 実施事項
□ 本規程の内容
□ 作業中の留意事項
□ 関係法令
□ その他
8・2 廃棄物の排出に関して遵守すべき事項等の掲示
本艦(船)は、廃棄物の排出に関して遵守すべき事項等(以下「プラカードという。) を次の場所に掲示している。
□
□ 本艦(船)には、プラカードの掲示義務はない。
第9章 国際航海に従事する場合の留意事項
9・1 船舶発生廃棄物記録簿の記載
国際航海(国内の港と他の国の港の間の航海をいう。)に従事する場合には、本章の規定に従い、必要な事項を船舶発生廃棄物記録簿(以下「記録簿」という。)に記載しなければならない。
□ 本船は、国際航海には従事しないため、記録簿を備え置く義務はない。
9・2 記載責任者
記録簿の記載責任者は、実施担当者とする。
9・3 記載期間
記録簿は、本艦(船)が外国の港に向けて、国内の港等を最終出港した時から帰国するまでの間、記載するものとする。ただし、帰国後、最初に行う廃棄物の処分については、これを記載するものとする。
9・4 記載事項
実施担当者は、次に掲げる廃棄物の処理及び処分に係る作業が行われた場合には、その都度、必要な事項を記録簿に記載しなければならない。
9・4・1 廃棄物の海域における排出
・1 日時及び艦位(緯度・経度、海域名)
・2 廃棄物の種類及び量
9・4・2 廃棄物の受入施設への陸揚げ又は他の船舶への移載
・1 日時
・2 施設の名称及び位置(施設名・業者名、港名)
・3 船舶の名称及び位置(船名、港名又は海域名)
・4 廃棄物の種類及び量
9・4・3 廃棄物の焼却
・1 開始日時及び艦位(緯度・経度又は海域名)
・2 終了日時及び艦位(緯度・経度又は海域名)
・3 廃棄物の種類及び量
9・4・4 事故その他の理由による例外的な廃棄物の排出
・1 日時及び艦位(緯度・経度、海域名)
・2 廃棄物の種類及び量
・3 状況及び理由
9・5 証拠書類の受領
国際航海の期間中、廃棄物を陸上の業者等に引き渡し、受入施設等への陸揚げ処分を依頼した場合には、当該業者等よりその事実を証する書類を入手し、記録簿に添付しなければならない。
なお、証拠書類は、次の事項が記載してある書類であって、受入作業又は移載作業を行った作業担当責任者の署名又は捺印があるものでなければならない。
・1 日 時
・2 施設の名称及び位置(施設名・業者名、港名)
・3 船舶の名称及び位置(船名、港名又は海域名)
・4 廃棄物の種類及び量
9・6 記録簿の点検
記録簿は、ページの記載が完了した時点で、艦船の長が日付を付して署名する。
9・7 記録簿の保管
記録簿は、最後に記載した日から2年間艦船内に保管しなければならない。
第10章 適用除外及びその他の規定
10・1 適用除外
廃棄物の排出が、次に該当する場合には、本規程は適用しない。
10・1・1 艦舶の安全を確保し、又は人命を救助するための廃棄物の排出
10・1・2 艦舶の損傷その他やむを得ない原因により廃棄物が排出された場合において、引き続く廃棄物の排出を防止するための可能な一切の措置をとった時の当該廃棄物の排出
10・2 その他の規定
各国の国内法若しくは地方条例等に別途規定のある場合には、これらの規定も遵守しなければならない。